H27年度は、引き続き国際短波レーダ観測ネットワーク(SuperDARN)との共同観測キャンペーンを実施し、衛星-地上同時観測データを継続的に取得した。今年度は地磁気嵐時に動作する特別観測モードのイベントを数例解析し、地磁気嵐時にPc5帯の地磁気脈動活動が増加している様子を捉えることができた。反面、大きな地磁気嵐時には電離圏の吸収が増加し、ドップラー速度計測に用いることができるエコー数が減少し、地磁気嵐時のPc5地磁気脈動観測には中・小規模の地磁気嵐が適していることを見出した。 これらの成果については、6月に英国レスターで開催されたSuperDARN Workshop、及び10月に名古屋で開催された極域・中緯度短波レーダー研究会にて報告を行なうと共に、参加した研究者と議論を行なった。また、観測装置の維持・整備のために米国アラスカ州キングサーモンを訪問し、HFレーダ装置やアンテナ等の保守作業を実施した。
|