研究課題/領域番号 |
23403015
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
松井 孝典 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 所長 (80114643)
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研究分担者 |
小松 吾郎 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 研究員 (30600853)
後藤 和久 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (10376543)
関根 康人 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (60431897)
那須 浩郎 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教 (60390704)
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キーワード | 惑星起源・進化 / 惑星探査 / 地球化学 / 環境変動 |
研究概要 |
インド亜大陸デカン高原中央部の天体衝突クレーター(ロナクレーター)内に存在する,層厚数100メートルに達する湖底堆積物を連続採取し,衝突クレーターの緩和過程の解明,およびインド亜大陸の過去数万年~数十万年の古気候・古環境の高解像度復元を行う.惑星科学,地質学,古環境学などの各分野の専門家が密接に連携し,同一掘削試料を用いることで,①来年度NASAが打ち上げ予定の火星探査機の着陸地点候補となっている,火星のクレーター湖の形成メカニズムの理解のための比較研究,および②インド亜大陸全体での気候変化、インドモンスーンの汎大陸的影響の解明,という,惑星地質学・古環境学の両面で喫緊かつ極めて重要な課題に取り組むのが本研究の特徴である. 表面に露出したイジェクタ層やクレーターリムから表面照射年代測定を行うことができる石英サンプルをもちかえり、放射線核種や同位体分析を進めた。その結果、クレーターリムに比べて、イジェクタ層の石英サンプルの方が古い表面照射年代を示した。このことは、イジェクタは非常に速く侵食されるという従来の説と相反する結果であり、物質的な証拠からクレーター形成後の侵食過程の時間スケールやそれらが起きる時期について、新たな知見を得られた。また、この若い表面年代は、従来の研究で提唱されていたクレーター形成年代の2つの説の若い方の結果と整合的であり、形成年代の論争にも重要な結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(理由)クレーター周辺の予備調査を計画通り十分行うことができ、分析結果が出ている。次年度ではこれを進めて本格的なコアリングと試料の化学分析を行う予定であるが、この研究体制が整ったといえる。
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今後の研究の推進方策 |
クレーター湖の音波探査およびコアリングを行う予定である。音波探査は湖面が最も高い雨季である6ー 9月ごろを予定しており、コアリングは湖面の下がる秋―冬を予定している。それぞれの調査には、インド政府の許可が必要であるが、こちらも日本大使館などを通じて許可の申請を進めている。
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