研究概要 |
1.河川及び沿岸海域の現地調査 オザマ川とハイナ川からの栄養塩負荷を明らかにするため、沿岸部から上流部にかけてオザマ川に1箇所、ハイナ川には10箇所のサンプリングポイントを設け、窒素やリン、クロロフィルaや濁度などの水質分析データを得た。また、両川について、水深や河道の形状、流速に関するデータ収集も行った。 2.濁質による拡散評価 オザマ川とハイナ川およびその河口のカリブ海域において,現地分光反射率/水質データセットを取得し,衛星によるクロロフィル・SS推定モデルを構築した.また,構築した推定モデルにより衛星ALOS(10m解像度)を使って同水域の水質マッピングを行った.これにより,河川内の濁質の濃度分布の傾向が明らかになった.また2011年6月の調査では,現地調査日とほぼ同期した超高解像度のWorldView-2衛星画像(2.5m解像度)がリクエスト撮影により取得され,沿岸への濁質拡散分布の規模を把握することができた. 3.数値モデル開発 サントドミンゴ沿岸のカリブ海に適合した準3次元海洋モデルを開発した.計算領域は東西165km,南北75kmであり,海底地形はETOP01データを用い補間した.また,潮位は周辺海域の年間潮位(2011年)をデータベース化し与えた.さらに,濁度計により得られた濁質濃度を河口域に与えることにした.本海洋モデルを用いて,サントドミンゴ沿岸のカリブ海の流況および濁質の移流拡散シミュレーションを行った.今後は,リモートセンシングより得られたクロロフィル濃度を河口域の境界条件として与え,沿岸域の一次生産量を推定する海洋モデルへ拡張する.
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