研究課題
平成24年度は,平成23年度に引き続き,(1)現地調査,(2)採取した試料に対する土質試験および(3)数値シミュレーションの実行可能性の検討からなる一連の学術調査を実施した。主な研究成果は以下のとおりである。(1) 現地調査:平成23年度に現地調査を実施した場所において河岸における地下水位の変動調査を実施した。また、平成22-23年度に引き続き、超音波多層流向流速計ADCP等による河川流況調査を実施した。(2) 室内土質試験:東北大学において、現地発生軟弱泥土の土質改良特性に関する基本的調査を実施した。具体的には、セメントや各種バインディング材による改良効果について,三軸試験などの結果に基づいて評価した。(3) 数値シミュレーションの実行可能性の検討: 河岸崩壊現象の解析としては、大規模変形解析および侵食作用の解析が可能なSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法に用いる入力パラメータや妥当性評価に用いるデータを現地モニタリングや土質試験により平成23年度に引き続き収集した。また、河川の3次元流れの解析として、標準的な3次元流れ解析を行うため,市販ソフトのFluentを用いた。さらに,河岸近傍の乱流特性をより正確に予測するため,Large Eddy Simulation (LES)を行った。(4) 第3回日越合同セミナーの開催:平成22年度より立命館大学、東北大学およびホーチミン市工大で研究成果を共有するために実施してきた日越合同セミナーを東北大学において実施した。
2: おおむね順調に進展している
研究成果の概要にも述べたように、研究はほぼ順調に進行している。毎年1回日越合同セミナーを開催しており、平成24年度も日本側:9編、ベトナム側:5編の論文投稿・研究発表があり、活発な意見交換がなされた。
現時点では特に問題はない。
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