研究概要 |
(1)対象湖沼の選定、調査体制の確立、海外湖沼での現地調査 中国の中国科学院水生生物研究所、北京師範大学、インドネシアのLIPI/Center for Limnologyに行き、あるいは研究者の来日に合わせて、今後の共同研究計画の打ち合わせを行った。それに基づき、中国の〓海、インドネシアのLake Maninjau, Lake Singkarak, Lake Rawa Pening, Lake Gajah Mungkurを対象湖沼に選定し、現地に赴き、水色、水草の反射スペクトル特性などの計測を行い、東アジア湖沼での観測データを蓄積した。 (2)日本の湖沼での調査手法の確認と衛星画像解析 霞ヶ浦5地点表層でのDO,pH、風速、水温の1時間間隔の連続測定データを国土交通省より提供してもらい、それをもとにFree water解析法により一次生産量の経日変化を計算で求めた。すなわち、衛星画像から推定する一次生産量の検証データとして使用する計画である。 また、猪苗代湖、印旛沼等において、水草の反射スペクトルを測定し、また、被度と反射スペクトルのバンド比の関係解析を行い、抽水、浮葉植物ではNDVI、沈水植物ではLandsatのバンド2とバンド3の比がそれらの被度の情報を有していることを明らかにした。こうした関係を用いて、衛星情報から湖沼の水草繁茂状況をモニターする手法を開発した。沈水生物に関しては水深による影響もあることから、それを除去する方法を検討するとともに、実際の衛星画像を用いて各ピクセルの反射率情報をもとに教師なしクラスター分類を適用して水域区分を行い、水草の繁茂状況観測結果と比較するとともに、バンド比が沈水生物の存在を示すものであるかを検討した。
|