研究課題/領域番号 |
23404018
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
松藤 康司 福岡大学, 工学部, 教授 (40078663)
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研究分担者 |
立藤 綾子(田中綾子) 福岡大学, 工学部, 教授 (10131830)
柳瀬 龍二 福岡大学, 環境保全センター, 教授 (20131849)
平田 修 福岡大学, 環境保全センター, 助教 (00461509)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | コベネフィットCDM / 福岡方式 / 埋立地 / メタン削減 / 浸出水汚濁負荷低減 |
研究概要 |
平成24年度は、研究実施計画に基づき、マレイシア・ベトナム・中国のモデルサイトにおいて事例研究を継続した。特に、平成24年度は、ベトナムにおいて循環式準好気性埋立システムに浸出水処理を目的とした簡易浄化装置(Trnedo,ECO-FAN)の設置を行い、メタンガス削減と浸出水浄化効果を調査した。定期分析に際しては、共同研究協力者であるURENCO-ハイフォンの技術者の協力の下で実施する共に現地調査時においてオンサイト・トレーニングワークショップを実施した。平成24年8月以降のデータから判断すると、ガス及び浸出水浄化効果も出現し、メタンガス組成は5%以下、浸出水水質はCOD(パックテスト)で50%以下に減少している。 マレイシア国のスプランプライ市のモデルサイトでは、過去20年間に亘る発生ガスの経時変化及び本プロジェクトの新規データから総合評価を行い、各地点とも雨期においてもメタンガスの爆発濃度以下で推移しており、この基礎データを基に跡地利用計画素案を提案した。 一方、中国の蒙自県のモデルサイトにおいては、メタンガスの発生は微小であるが、自治体の財政上の制限もあり、本格的な浸出水浄化装置の設置が遅れている。このため、経年時には、準好気性埋立構造を有しながら局部点には浸出水滞水部で、メタンガスの増加傾向と浸出水水質の悪化が認められた。この対策として、簡易浄化装置の設置を行うと共にECO-FANを応用した浸出水の浄化装置として簡易の凝集沈澱装置を提案し、平成25年度に設置する方向で調整した。 以上のように、3ヶ国とも概ね計画に沿って進展している。本研究成果は、平成24年11月開催された廃棄物資源循環学会、平成25年 インドネシア、平成25年2月北海道で開催された国際会議において成果の一部を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
i)ベトナムでの事例研究は共同研究者の熱意と協力もあり計画以上に進展しており、かつ浸出水簡易浄化装置(ECO-FAN)の増設もローカルスタッフのみで6基増設され基礎データ(水質、ガス等)も蓄積しつつある。 ii)マレイシアでの事例研究は、モデルサイトにおけるガス抜き装置等の一部が埋立用重機によって破損事故が発生した。 iii)中国での事例研究は、浸出水浄化装置の増設に必要な機材が現地入手が困難であったため、平成25年度に延期した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は最終年度を迎えるため、3ヶ国での事例研究の基礎データを比較検討し、国情、地形、気象条件、廃棄物組成の違いによる福岡方式によるコベネフィット型CDMの有効性を定量化する。 成果は、廃棄物資源循環学会や国際廃棄物学会等で発表する。
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