本研究は、地球温暖化の影響を受けるアジアの沿岸部の災害マネジメントに資することを目的としている。まず、2004年スマトラ沖津波により被災した3カ国における復興計画を整理し、建物復興曲線を用いて復興過程を比較した。その結果、スリランカ、タイ、インドネシアの順に復興が早かったことが定量的に示された。また、第3回国連防災世界会議で採択された仙台防災枠組に盛り込まれているBuild Back Betterの観点から復興上の課題を明らかにした。さらに、2013年台風ヨランダで被災したフィリピンのバセイでの調査に基づき、今後海面上昇の影響が懸念されている沿岸部に位置する都市のリスク評価手法を提案した。
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