本研究は、これまでの調査実績を踏まえながら、かつて中国に存在した5つの「日本租界」を対象に当時外務省の外交記録等の史料を解読した上で、租界設立同時の情報を把握し、現地の研究協力者と共同で総合調査を実施して、日本租界の都市空間の構成及びその変容を明らかにし、そして市街地の構成、配置、建築物等を実測調査し、日本租界に関する空間情報のデータベースを作成する共に、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)による「日本租界」の再現を行った。今後、日中両国における近代都市史を理論的に分析するための資料・情報を提供し、都市文化遺産としての「日本租界」の再評価につながる。
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