研究課題/領域番号 |
23404026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
山根 周 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (40285242)
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研究分担者 |
深見 奈緒子 早稲田大学, イスラーム地域研究機構, 准教授 (70424223)
布野 修司 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50107538)
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キーワード | インド洋海域世界 / 港市 / 東アフリカ / スワヒリ都市 / ザンジバル / コロマンデル / ベンガル湾 / スリランカ |
研究概要 |
今年度は、20~22年度に実施した先行研究をふまえ、アラビア海・インド洋西海域世界の東アフリカ沿岸港市における重点的悉皆調査を行うとともに、ベンガル湾海域世界における港市の網羅的調査を中心とした臨地調査を行った。東アフリカ沿岸港市(ラム、モンバサ、ザンジバル、キルワ)の調査(2011/12/15~29)では、ザンジバルのストーンタウンにおいて、建築物の構造や用途等の他、屋根形態や扉の表現に見られる、インドやアラブの伝統的建築様式およびそれらが融合したザンジバル独自の建築様式の分布実態に関する悉皆的調査を行った。かつてアラブやインドから渡ってきた商人コミュニティの居住地区が明確となり、ストーンタウンの形成発展プロセスを明らかにすることができるほか、商人たちの出身地の建築様式が、どのように伝播、転成していったかを明らかにすることができる。また、ベンガル湾海域世界に関して、インド東岸を広くコロマンデル地方からベンガル地方にかけて調査し(2011/8/28~9/27)、主要な歴史的港市(チェンナイ、マハーバリプラム、ポンディシェリ、カーヴェリパトナム、トランケバール、ナガバトナム、トゥティコリン、カヤルパトナム、キラカライ、マスリパトナム、ヴィシャカバトナム、プリー、コルカタ)を踏査したほか、タミル・ナードゥ州南部の歴史的港市キラカライと、古くからの巡礼都市ラーメシュワラムにおいて、歴史的建造物および住居の実測調査や、宗教別コミュニティの分布、都市施設の分布等に関する悉皆調査を実施した。さらに、ベンガル湾海域世界と南シナ海海域世界の接点に当たるスリランカにおいても、歴史的港市の調査を行った(2012/3/18~31)。それらの調査に基づく成果は、24年度の日本建築学会大会等において発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、南シナ海海域世界の一部マレー半島やスマトラ島の港市に関する調査を行うことができなかったが、これは、ベンガル湾海域世界の調査において、当初予定よりも多くの港市を対象とし、より詳細な調査を実施することとなったためである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度のコロマンデル地方沿岸、ベンガル地方沿岸での調査を踏まえ、次年度は、ベンガル湾海域世界の港市をより詳細に検討する意味で、バングラデシュのチッタゴン、ミャンマーのヤンゴンなどを調査対象として新たに加える。また、南シナ海海域世界に位置づけられるマレー半島、スマトラ島、ジャワ島などの港市に関する調査研究を展開する。
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