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2012 年度 実績報告書

南日本・東南アジアの野生サトイモの民族植物学的・遺伝子学的緊急研究

研究課題

研究課題/領域番号 23405004
応募区分海外学術
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

P・J Matthews  国立民族学博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (70281590)

研究分担者 中村 郁郎  千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (50207867)
田原 誠  岡山大学, その他の研究科, 教授 (50274014)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワードethnobotany 民族植物学 / taro サトイモ / ecology 生態学 / chloroplast 葉緑体 / Philippine フィリピン / Vietnam ベトナム / Japan 日本 / genetics 遺伝学
研究概要

平成24年度、ベトナム北部とフィリピン北部・中部・南部で野外調査を行った。全地域において野生種のサトイモ・野生種の他のColocasiaを、またフィリピン中部と南部において野生種と栽培種のクワズイモ(Alocasia macrorrhizos)を観察し植物標本を収集した。
AraceaeのクロロプラストDNA(cpDNA)分析に最適であるさまざまな遺伝子座を同定した。(Ahmed et al. in press) 現在、これを用いて、アジア・太平洋地域から収集された多くの標本(野外調査により新たに加えられたものと国立民族学博物館内に保管されているDNAアーカイブからのもの)について分析を進めている。
これから研究成果として公表を予定していることは、(1)熱帯の2倍体サトイモの多くは1つの大きな母系cpDNA系統に属していて、インド-アジアに起源をもつと考えられる(2)温帯の(寒冷な気候に適応した)3倍体サトイモの多くは2番目に大きいcpDNA系統に属していて、東アジアに起源をもつと考えられる(3)野生種には多くのcpDNAの系統があるがこのうち2つの系統のみが大部分の栽培種サトイモに寄与している(4)ベトナム北部で収集した標本の中には、形態学上は異なっているが、類似のあるいは同一の葉緑体ゲノムを示すものがあることから、この地域において異種間の交配が起こったと考えられる。ベトナムの野生種サトイモはこれまでに見つかった南と北の双方の系統を起源としているのかもしれない。食用の植物として、また、ブタの餌として人類が利用し伝播した結果として、この野生種のサトイモの交配が起こった可能性もある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

指導している博士課程の学生(マッセイ大学、ニュージーランド)が行なっている研究に一連のサンプルを提供し、協力して研究を遂行することにより、アジア・太平洋地域全体のサトイモの歴史について現在の調査の結果を解釈することが可能になった。

今後の研究の推進方策

ベトナム北部における異種間の交配の可能性について詳しく調べるためにも、フィリピン・ベトナム・日本で収集した標本の分析をさらに進めることが最優先事項である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Origins and Development of Taro.2013

    • 著者名/発表者名
      P. J. Matthews
    • 雑誌名

      Encyclopedia of Global Archaeology.

      巻: in press ページ: pp

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of chloroplast genome loci suitable for high-resolution phylogeographic studies of Colocasia esculenta(L.) Schott (Araceae) and closely related taxa.2013

    • 著者名/発表者名
      I. Ahmed
    • 雑誌名

      Molecular Ecology Resources

      巻: in press ページ: pp

    • 査読あり
  • [備考] Wild Taro Research Project

    • URL

      http://wildtaro.ning.com/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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