研究課題/領域番号 |
23405015
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
近江谷 克裕 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究部門長 (20223951)
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研究分担者 |
三谷 恭雄 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (10358103)
二橋 亮 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (50549889)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 発光ゴカイ(富山) / 発光貝ラチア(ニュージーランド) / 発光ミミズ(ロシア) / 発光甲虫(中国) |
研究実績の概要 |
新規発光・蛍光技術の確立、新規の生物発光・蛍光技術を創出するソース探索のため、世界各地の発光生物及びその共生微生物群を現地調査する。採取されたサンプルは、現地協力者の実験室にて遺伝子を抽出、或いは低分子化合物も抽出し、協力者の許諾のもと一部は現地の研究者に、一部は申請代表者の産総研に持ち帰り、知財確保、論文作成を目指す。本年度は、気候変動や現地協力者の状況に応じて3カ国(ロシア、中国、ニュージーランド)及び海外との比較を行うことを目的に国内富山県魚津市を中心に現地調査、研究打合せを行った。 具体的には、① 平成26年7月9‐25日まで研究代表者近江谷と共同研究者三谷はロシア・クラスノヤルスク市ロシア科学アカデミーシベリア支所のEugene Vysotski博士のもとシベリアに生息する発光生物の採取を行った。この結果、ホタルは採取できなかったが、発光ミミズ1種の採取に成功した。②平成26年10月27‐30日、研究代表者近江谷は中国での研究協力者の中国科学院昆明動物研究所のAndy Liang教授と、来年度夏期に計画する発光生物の現地調査について意見交換を行った。平成27年7或は8月に雲南省シングリラ地方で高地の発光生物を採取する方向で意見をまとめた。③平成27年3月14‐20日まで研究代表者近江谷、共同研究者三谷、二橋でニュージーランドに国立水環境研究所の協力を得て、発光貝ラチアの採集を行った。研究所の許可のもとサンプルを日本に持ち込み、現在、遺伝子等の解析中である。④平成25年10月5日-7日まで研究代表者近江谷、共同研究者三谷、二橋及び研究協力者の安野と共に富山県魚津市にて魚津水族館の協力を得て発光ゴカイの採取を行った。発光ゴカイの遺伝子の抽出作業を行い、次世代シークエンサーにより網羅的に遺伝子配列を解析した。現在、ルシフェラーゼ遺伝子のクローニングを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定は4つの地域、8種の発光生物の野外調査、サンプル収集を目指していたが、4年度目までに6つの地域(中国、ブラジル、ベルギー、フィジー、ロシア、ニュージーランド)での研究を進めた。これまでにフィジー島で再出したヒカリコメツキシムのルシフェラーゼのクローニングに成功、論文報告した。現在、ニュージーランドの発光貝ラチアのルシフェラーゼのクローニングを実施中である。また、海外では採取が難しかった発光ゴカイを富山県魚津市で多量に採取できることが調査で判明、得られたサンプルから現在、発光関連遺伝子のクローニングに一部成功した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は最終年度であり、今後、必要なサンプルの採取を計画、引き続き中国を中心に発光甲虫、星虫を、また国内富山ではホタルイカ、発光ゴカイ等の海洋性発光生物の野外調査、サンプル収集を行う。また、収集されたサンプルより遺伝子等を抽出し解析を進める。
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