研究課題/領域番号 |
23405017
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
池田 良一 東京農業大学, 農学部, 教授 (50564465)
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研究分担者 |
夏秋 啓子 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80164482)
伊藤 一幸 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80355271)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | RYMV / 抵抗性育種 / 系統解析 / 伝搬様式 / Striga類 / 根寄生雑草 |
研究概要 |
Rice yellow mottle virus (RYMV)については、ウガンダ国立作物資源研究所において抵抗性育種を以下の手順で進めた。すなわち、①既知のRYMV抵抗性遺伝子が劣性のため、B1F1個体への戻し交配では、自殖B1F2個体で抵抗性の分離を確認した上でそのB1F1個体に交配した。②IR64×Giganteでは、抵抗性F2個体からF3系統を育成し、以後抵抗性検定と選抜を繰り返す系統育種法と、F2で抵抗性検定を行わず、F2~F5世代を無選抜・混合採種で世代を進め、F6世代で抵抗性検定を開始し、有望系統を育成する集団育種法、の両法を同時並行的に実施している。③Moroberekan85×NERICA L42のF2集団の抵抗性反応が不明瞭であった123株に鎌で再接種し、再生株の抵抗性判定したので、次代F3系統とする。④NERICA4×WITA9のF4 48株を抵抗性として選び、次代F5系統として育成する。 また、ウイルスについては、ウガンダ株とタンザニア株の発生,伝搬,保存性および分子系統解析について検討した.保存性が高いとされてきたRYMVについて RYMV感染乾燥茎葉を作成して行った試験では,保存(27℃)49日以降,感受性品種IR64への汁液接種による感染性が喪失した.分離株のCP領域の遺伝子解析を行った結果,いずれも既報の東アフリカ分離株と同じクラスターに分類され,S4血清型に属し,ウガンダ株は同国間株でアミノ酸配列99%以上と相同性が高かったが,タンザニア株は多様性がより高かった.現地試験においてRYMV汚染土壌、汚染水、ハサミによる伝搬を確認した。 一方、ケニア西部のブシアでStriga抵抗性品種日本晴とNERICAなど感受性品種との交配後代の抵抗性検定を行い、その300個体分をDNA解析するべく日本に持ち帰ったが、個体識別ができておらず、解析できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抵抗性育種に関しては、ほぼ予定通りに系統育成が進んでいる。また、RYMVの検出法、系統解析法、血清型の解明法を確立し、現地試験も実現している。抵抗性品種作出に必要な早期診断も可能になった。Striga抵抗性に関しても、個体識別できていなかったので、DNA解析はできなかったが、論文発表に見られるような成果は上がっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更は特に無い。確立したウイルス検出技術を活用してRYMV抵抗性品種の作出を引続き行うとともに、抵抗性とされるWITA9感染RYMV株について抵抗性打破系統か否かの確認を行う必要がある。
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