研究課題/領域番号 |
23405021
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
間藤 徹 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50157393)
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研究分担者 |
落合 久美子 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40533302)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | カドミウム / イネ / 環境修復 / 低カドミウム米 / 食の安全 |
研究概要 |
タイ国ターク県メーソット郡にはタイ国最大の亜鉛鉱山があり、この鉱山を流れるメータオ川下流には流出したカドミウムによって汚染された水田2000haが広がっている。研究代表者はこれまでにタイ国キングモンクット工科大学のスミットラー准教授とともにメーソット郡のカドミウム集積地帯での土壌調査,飯米のCd含有率調査を行い、Cd集積水田の特定を進めてきた。本研究課題では、モミへのカドミウム蓄積が少なく現地での栽培に適したタイ米品種の選抜を進めている。2011年度までにタイ国近代品種42品種を現地生産者圃場で栽培し、モミへのカドミウム蓄積が少ない5つの品種を選抜した。2012年度は、これら5品種について、カドミウム蓄積量が少ないことを確認するために、より多くの圃場での栽培試験を実施した。8圃場での栽培試験の結果に基づきRD15号のモミのカドミウム含有率は現地で好んで栽培されているKDM105号の30%と低いことを確認した。RD15号は日長感受性を示すこと,長稈であることから現地での栽培に適しており、また食味の点からも現地で比較的受け入れられやすい品種であると考えられる。今後RD15号をさらに数多くの農家圃場において栽培試験しモミのカドミウム蓄積量が少ないことを確認していくと同時に、RD15号への栽培変換普及活動をすすめることによって、現地の米消費者のカドミウム摂取リスクを軽減できると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地汚染圃場での栽培試験によって、モミへのカドミウム蓄積量の少ないタイ国イネ品種の選抜をすすめ、これまでにRD15号のモミカドミウム含有率は現地で好んで栽培されているKDM105号の30%と低いことを示した。
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今後の研究の推進方策 |
さらに多くの現地生産者圃場においてRD15号の栽培試験を行い、RD15号のモミカドミウム含有率が低いことを確認する。また、RD15号への栽培転換普及活動を行う。
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