研究課題
ポット栽培した寄生関係にあるソルガムとストライガに13CO2処理を行い、土壌乾燥の程度が同化産物の分配に及ぼす影響を調査した結果、ソルガムからストライガへ転流された13Cは土壌水分条件に関わらずほぼ一定であった。したがって、土壌乾燥条件下でソルガムは光合成速度が低下するのに加えてストライガへの同化産物の転流が維持されるために、ストライガの寄生による被害が深刻化すると考えられた。さらに、ストライガはソルガムに比べて内生アブシジン酸(ABA)濃度が約10倍も高かったにもかかわらず、土壌乾燥および外生ABA処理に対して気孔コンダクタンスおよび蒸散速度の低下が小さかった。したがって、気孔応答の鈍さがストライガの宿主からの養水分収奪に関わっていると考えられた。前年度までに選抜したストライガ抵抗性イネ品種NERICA5とSATREPS1の根系に、ソルガム由来(ソルガムに寄生したストライガから採取した)、感受性イネ品種群由来、SATREPS1由来、ミレット由来のストライガ種子を接種した。由来の異なるストライガ種子のSATREPS1に対する寄生率はそれぞれ6.2、11.0、15.7、27.1%と大きく変動した。同様に、NERICA5に対しても、由来の異なるストライガの寄生率は3.3~27.3%と変動した。このことから、抵抗性品種の選抜にあたっては様々な生態型のストライガを評価すること、および品種導入の際には圃場の作付履歴を考慮することの重要性が示された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biologia Plantarum
巻: 57 ページ: 773-777
10.1007/s10535-013-0348-7