研究課題/領域番号 |
23405024
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
森林科学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
水永 博己 静岡大学, 農学部, 教授 (20291552)
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研究分担者 |
小林 繁男 京都大学, アジアアフリカ地域研究科, 教授 (40353685)
米田 健 鹿児島大学, 農学部, 教授 (40110796)
内田 孝紀 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (90325481)
楢本 正明 静岡大学, 農学部, 助教 (10507635)
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キーワード | 林冠木衰退 / 孤立化 / ギャップ拡大 / 風動態 |
研究概要 |
「熱帯林の孤立化が林冠木衰退・枯死の誘因になっている。」「ギャップ周囲の林冠木は枯死しやすく、ギャップは次第に拡大する。」このような熱帯林における断片化と林冠木枯死の関係をめぐる経験的な仮説に対して、森林の断片化が林冠木の健全性に及ぼすインパクトを評価することを目的とし、次の3点にねらいを絞って研究を行っている。 1:森林の断片化が林冠木の衰退誘困になっているか?その実態を疫学的手法で検証する。 本年度はベトナムのCuc Phuong国立公園、マレーシアのパソ保護林、タイのメクロン王室林野局流域試験地に試験地を設定し、ギャップ周辺の個体の健全性について調査を行った。またCuc Phuongでは肥大成長および樹冠成長モニタリング計測のセットアップを行った。 2:断片化に伴う周辺植生構造の変化が林冠木の微気象環境に及ぼす影響を予測するためのプロセスモデルを作成し、これらの環境変化による林冠木の物理的・生理的ストレスを定量評価する。 本年度は、林冠表面風速モデルのヴァージョンアソプを行った。さらにモデルに欠かせない巨大木の三次元樹冠構造をレーザースキャナーにより測定し、樹種別の樹冠構造データベース構築に着手した。 3:森林の断片化に伴う風を含む微気象環境の変化と林冠木の根系環境が倒木確率(物理的要因)と立ち枯れ(生理的要因)に及ぼす影響を水分環境区分ごとに整理することを本研究の狙いとする。 本年度はCuc Phuong国立公園の主要種であるPometia pinata(板根を有する種)とParashorea cinensis(板根の少ない種)の根返りモーメントを測定し、板根の風に対する物理的抵抗性に及ぼす効果は小さいことを示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コア試験地であるベトナムCuc Phuongにおいて調査地設定が完了したため。 また、それぞれの調査地において予定の調査が行われているため。
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今後の研究の推進方策 |
ギャップ発生に伴う生理生態的反応について測定を開始する。林冠表面風況シミュレーションと生理情報をリンクする。根返りモーメントの計測事例を充実させる。
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