研究課題/領域番号 |
23405027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
森林科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉川 賢 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (50166922)
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研究分担者 |
大藪 崇司 兵庫県立大学, 大学院・緑環境景観マネジメント研究科, 講師 (70423902)
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キーワード | ケニア / アカシア(Acacia Senegal) / メリア (Melia vilkensii) / 半乾燥地 / 水収支 / 人工造林 / 密度効果 / フェノロジー |
研究概要 |
アフリカ諸国の中で最も水資源の少ない国であるケニヤでは、水源涵養と木質資源の増産を目的に大規模な植林が始まっている。その主要な造林樹種であるAcacia senegal(アカシア)とMelia volkensii(メリア)の植林後の生育経過と林地の水分状態を測定した。調査地はケニヤ中央部のキツイ県のケニア森林研究所のティバ試験林である。2002年に造成された両樹種の密度試験林と近くに残っている天然林で、毎木調査と生理特性の測定を行うと共に、土壌水分の推移を測定した。 天然林の立木密度は6016個体/haと大変高く、出現種は18科22属29種にのぼり、平均降雨量は770mmに過ぎないが、多様で豊かな森林が成立する環境条件にあることが明らかとなった。 アカシア人工林内にも13科14属15種が出現した。樹冠投影面積は低密度区ほど大きく、個々の個体が広い空間を占めていたが、樹冠投影面積合計は立木密度が低くなるほど小さくなる傾向を示した。胸高直径と樹高の関係から推定した最高樹高は7.5mであった。植栽13年目であるが、どの密度区においても70%を超える高い生存率を示した。展葉は12月~1月と3月~4月の2回あり、開花は2回の乾季(1月~2月と6月~9月)のうちの2月~3月と7月~8月であった。 メリア人工林の樹冠投影面積合計は立木密度の影響を受けていなかった。推定最高樹高は9.8mであった。植栽後8年目で植栽密度が高くなるほど生存率が低くなった。2回の雨期に対して、3回(7月、11~12月、3~4月)展葉が見られ、2回落葉した。開花は降雨量の少ない2月~3月と7月におこった。 土壌水分の測定は継続しているが、まだ解析結果を得るところまでは至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度に実施予定の項目はすべて順調に終了した。さらに、次年度実施予定の蒸散量測定や同位体分析について一部実施し始めることが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
初めに提出した研究計画調書に沿って研究を推進する予定であり、現在の所変更の予定はない。
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