研究課題/領域番号 |
23405027
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉川 賢 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (50166922)
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研究分担者 |
大藪 崇司 兵庫県立大学, 緑地環境景観マネジメント研究科, 准教授 (70423902)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ケニヤ / アカシア / メリア / 半乾燥地 / 蒸散量 / 植林適地 / ガイドブック |
研究概要 |
本研究は、平成23年度から4年間を研究期間としてケニア国キツイ県で実施されている研究の3年目である。 平成25年度は、2回現地調査を実施した。4月の渡航では、これまでに得られているM.volkensiiの樹液流の特性をより詳しく測定するため、試験地内の2本の樹木に樹液流センサーを設置した。樹液流センサー(SFM_R1-2、ITC社製)は、熱を出すヒータプローブと上下の温度センサープローブからなり、1時間に1回、自動的に樹液流速度を測定した。 11月の渡航では、年度当初に設置した樹液流センサーからデータを回収した。さらに、樹液流速度を用いた年蒸散量の推定を行うために、プローブの設置深度を変えて測定することで樹幹内部の樹液流速度分布を測定した。また、試験林から3個体を選んで足場を設置し、蒸散速度、葉の水分特性、葉の形態の測定を行った。その後、1本を伐倒し、葉量測定を行い、単木の最大蒸散速度の推定を行うためのデータを採取した。 さらに森林と水環境の関係について地理情報システムを用いた対象樹種の分布と気象要因との関係のモデル化を行い、広域的な潜在分布域の予測により、本試験地のケニアでの位置づけを行い、その結果から植林適地の分布に関する情報を整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画では、3年目はこれまでの継続調査に加え、伐倒調査、GISによる植林適地の整理を予定していた。この目的はほぼ達成され、おおむね順調に進展しているものと判断した。さらに、個体単位および林地面積単位での蒸散量の推定にも成功した。 さらに、2回(2013年12月12日Ken Yoshikawa:Re-afforestation and water conservation in drylands. 2014年3月15日Ken Yoshikawa:Guideline for re-afforestation and water conservation in drylands.)現地で研究結果についてのワークショップを開催して、ケニヤ側研究者および現地住民への啓蒙を行った。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、これまで得られたデータと新たに取得するデータから地域の水収支について試算を行う。また、本調査地域での林木の成長モデルを構築し、潜在的な植林ポテンシャルについて検討する。
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