研究課題/領域番号 |
23405034
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 宣弘 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (80304765)
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研究分担者 |
加賀爪 優 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20101248)
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キーワード | 農業経済学 / 不完全競争 / 産業組織 |
研究概要 |
本研究は、卸売市場における買手寡占ならびに情報の非対称性をキーワードに、穀物市場における小売価格に対するショックが農業生産者まで伝わらない現象が起こる仕組みを理論的に解明すると共に、アジアの農産物市場を対象として不完全競争および価格不伝達の度合の測定とその要因の定量的分解を行うことを目的とするものである。 上記の目的を達成するため、研究1年目である本年度は、以下の三つの活動を重点的に行った。まず、世界各地の寡占市場におけるプレーヤーの戦略およびその社会厚生に及ぼす影響を分析した文献の詳細なレビューを行い、各手法のアジアの発展途上国における農産物の生産者市場・卸売市場・小売市場への応用可能性を検討した。また、情報伝達や交通手段に制約のある環境で、域外価格がファームゲートにどの程度伝わっているのかを複数の要因に分解して計量経済学的に測定する方法についても、推定式の特定化の側面を中心に詳細な文献のレビューを行った。加えて、世界銀行の刊行する Vietnam Household Living Standard Survey およびノースカロライナ大学の刊行する China Household Nutrition Survey 等、アジアの発展途上国の農産物市場を扱ったマイクロデータのレビューを行い、次年度以降に予定されている、不完全競争化における農産物の需要・供給体系の推計において使用できる変数を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献レビュー、理論研究、データ収集のいずれとも研究計画調書作成時に想定された速度で進んでおり、当初研究目的の達成が見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
寡占市場における情報の非対称性の効果に関する文献に関して詳細なレビューを行った上で、そのような背景を持つ市場を理論モデルとして表現する。その上で、本年度に引き続きマイクロデータの収集を行い、不完全競争度および価格不伝達度の推定が実施できる環境を理論・計量双方の側面から整える。
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