研究課題/領域番号 |
23405036
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松野 裕 近畿大学, 農学部, 教授 (50340766)
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研究分担者 |
堀野 治彦 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (30212202)
八丁 信正 近畿大学, 農学部, 教授 (00268450)
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キーワード | 農業工学 / 海外 / 水資源 / 灌漑排水 |
研究概要 |
本研究では、地域における灌概用水の需給量を適正に評価し、そのバランスを図りつつ水需要・水供給双方の変化に対して柔軟に適応可能となる水管理方法の検討と構築を目的としている。そこで、アジアの主要な米生産国のなかでも比較的発展が遅れているミャンマー米生産地域の灌漑地区をケースとして、現地調査から得る水文、地理情報、水利組織・制度、社会・経済などに関するデータを基に水文モデル、数理解析モデルなどのツールを用いて分析する。また、アジア他国の灌漑地域を比較対象地域として、その共通性と相違性を明らかにすることにより提言する水管理法の一般化を試みる。 当該年度は、まず現地において研究対象とする灌漑地区2か所を現地研究協力者、担当行政官などの情報からミャンマー国内で選択した。現地調査地は、バゴー管区および首都ネピドー近郊の灌漑地区内の水路およびその受益農地と農家を対象とした。さらに予備調査として、対象地区の踏査および現地担当行政官、農民などから現地において情報を収集した。このような作業を通じて、調査・観測項目を1)水文、水利状況、2)営農状況、3)水管理制度、水利組織運営状況、に大別し、研究期間中に収集・観測するデータ項目の摘出および観測地点の摘出を行った。水文情報については、灌漑地区内に設定した幹線、支線水路の流量観測地点において乾期灌漑開始前に水位計などの観測機器を設置しデータ収集を開始した。また、気象要因を観測する機器も設置した。乾期作の営農状況および水管理制度に関しては、聞き取りによって基礎情報を収集した。さらなる詳細情報については、乾期作終了後の次年度に農民への個別聞き取り調査からデータを収集する計画である。また、ミャンマー灌漑の位置付けを明確するため、同様な社会経済水準における比較対象地域としてラオスの灌漑地区を選択し、現地調査を実施して情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地調査地域における既存の基礎諸言データが当初に想定していたものより不足していたため、対象灌漑地区の選定にやや多めに時間を費やすこととなったと共に、モニタリング地点数が増加したため機器の設置完了時期などが当初計画よりやや遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は今乾期作を対象としたデータ収集を完了すると共に、次雨期・乾期作についてのデータ収集を行う予定である。また、今乾期作のデータ分析を開始する。来年度においては、比較対象地域を追加することも検討する。
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