研究課題
マダニ媒介性細菌性感染症であるヒト顆粒球アナプラズマ症(HGA, 病原体Anaplasma phagocytophilum)、ライム病(Borrelia burgdorferi sensu lato complex)、マダニ媒介性回帰熱(Borrelia miyamotoiなど)、発疹熱(spotted fever rickettsia group)等の病原体の日本を含む東アジアにおける野生動物と媒介マダニの保有状況を調査した。イルクーツク、ハバロフスク、モンゴルで採取したシュルツェマダニよりアナプラズマを検出し、16S rDNA遺伝子解析よりA. phagocytophilumであることを明らかにした。また、この病原体の表層タンパク質遺伝子p44は多様性を示し、宿主免疫応答からのエスケープに関わることが知られている。この遺伝子配列を比較したところ、極東地域に固有の配列があることを明らかにした。高知の不明熱患者2名が、HGA患者であることを明らかにし、またそのp44配列の一部は、極東ロシア由来配列と近縁であった。この事実は大陸と日本列島の間で病原体の拡散があること示唆している。また、p44遺伝子解析が、分子疫学のツールとして有用であることを明らかにした。イルクーツク、ハバロフスク、モンゴルのマダニかライム病ボレリアを検出し、これらはこれまで見いだされているB. garinii, B. afzeliiであった。一方、今回TaqmanリアルタイムPCRによりライム病ボレリア、回帰熱ボレリアを分別検出し、初めて回帰熱病原体B. miyamotoiを検出した。保有率2-3%でライム病ボレリアの1/10程度であった。今回初めて回帰熱ボレリアを見いだしたことから、今後ダニ刺咬患者の診断に際しては、回帰熱ボレリアについても考慮する必要がある。一方、台湾の野鼠からアナプラズマの変異株を見いだしたが、中国、台湾、韓国のHaemaphysalis属マダニから病原体は検出できなかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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