研究課題/領域番号 |
23406014
|
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
西園 晃 大分大学, 医学部, 教授 (70218155)
|
研究分担者 |
アハメド カムルディン 大分大学, 医学部, 准教授 (00398140)
山田 健太郎 大分大学, 医学部, 助教 (70458280)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 狂犬病 / 東南アジア / 中和抗体 / 迅速診断 / ワクチン |
研究実績の概要 |
本年度は4年間の研究期間の最終年度に当たる。従来のウイルス中和試験を代替し、迅速・簡便・安価に中和抗体価の定性的判定、半定量的判定を可能にした血清診断法(RAPINA法)の国際的評価を広めるために、今年度はベトナム北部地域をフィールドとし、イヌ肉の食肉加工する作業者を対象に血清調査を行い、狂犬病ウイルスによる曝露の危険性と、不顕性曝露の可能性を探った。 187例のハノイ周辺のイヌ肉食肉加工者を含む214例について国際標準法のウイルス中和試験とRAPINA法の相関は98.6%であった、またRAPINA法による陽性的中率は91.7%、陰性的中率は 100%と良好な結果を示した。この結果は既に欧文誌に投稿、掲載確定済みである。 一方、RAPINA法は血清の種類を問わず中和抗体価が測定できるため、動物特にイヌの血清中和抗体価の測定にも威力を発揮する。これは狂犬病の最大の侵淫地域であるアジアにおけるイヌへのmass vaccinationによる狂犬病の制御をモニターする上でも有用である。フィリピン、タイ、日本の3か国で集められた飼育犬のワクチン接種後の抗体保有状況を検討したところ、RAPINA法による陽性的中率は96.2-99.3%、陰性的中率は84.5-94.8%、一致率は94.6-97.0%と良好な結果を示した。この内容は現在欧文誌への投稿中である。RAPINA法は平成26年度に国内で動物用診断薬としての認可を取得し(農林水産省指令23動薬第2318号)、今後広く獣医学領域での利用が期待されると同時に、ヒト用としての国際的認知を目指していきたい。 全研究計画期間を通じ、当初の研究目的とした狂犬病流行国での安全で安価な診断法を提供するという目的を充分に完遂することができたと考える。このことは国内での万が一の狂犬病再興時においても有効に機能することとなろう。
|
現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|