研究課題/領域番号 |
23406025
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
西山 利正 関西医科大学, 医学部, 教授 (10192254)
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研究分担者 |
三島 伸介 関西医科大学, 医学部, 助教 (70454618)
田淵 幸一郎 関西医科大学, 医学部, 助教 (80580422)
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キーワード | ビルハルツ住血吸虫症 / マラウイ共和国 / 集団治療 / 有病率 / 尿検査 |
研究概要 |
開発途上国を脅かす三大疾病(エイズ・マラリア・結核)には多くの資源が投入され一定の成果をあげているが、その他の疾病は対策が不十分なままである。特に住血吸虫症は、世界で2億人が罹患し、8億人が感染の危機にさらされ深刻な状況である。全土が流行地であるマラウイ共和国でも、近年は詳細な調査が行われていない。本研究では、同国におけるビルハルツ住血吸虫症の現状について調査し、効果的な対策法の確立をめざす。すなわち、(1)マラウイ共和国における、調査地域全住民を対象としたビルハルツ住血吸虫症の有病率を経時的に調査する。(2)駆虫薬プラジカンテルを対象住民に継続的に投与することにより、有病率改善への効果を測定する。(3)申請者による予備調査で明らかになった、調査地域内での有病率の地域較差の原因を明らかにし、地域に合わせたより効果的な対策法を考案する。本年度は、順次調査を実施する予定であったが、現地の現状では、調査値を選定し、その調査値における住民基礎台帳を作成することが必須となり、マラウイ保健省が推奨する住民台帳作成マニュアルに沿った形で住民台帳を作成し、居住環境についての地図作成を遂行した。これによって、当該住民の住民人口や性別、年齢分布などを把握することができた。本年度は、台帳に基づき住血吸虫の感染リスクのある地域や場所の特定に役立てることができ、本調査を実施することが容易になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度、調査を実施する予定であったが、調査域の村落においては住民台帳が作成されていなかったため、まずは住民基礎台帳や村の環境把握に時間を費やした。マラウイ共和国保健省が推進する住民基本台帳の原版があり、できるだけそれに則った内容で台帳作成に当たることができた。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は、駆虫薬の一斉投与を行って有病率の変化を追うことと、それに加えて衛生教育を含めた住血吸虫コントロールプログラムについて調査を行う。住民は程度の差こそあるものの、住血吸虫についての認識はあると思われる。しかしながら、住血吸虫の感染リスク地帯である淡水の河川や湖沼との接触は、日常生活を営む上で欠くべからざる事象となっている。従って、そうした水域との接触を断ち切らないで、いかにして有病率を低下させていくことができるか検討することが、本研究の核となる部分になると考える。
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