研究課題/領域番号 |
23406027
|
応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 清一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70190410)
|
研究分担者 |
丸山 彰一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10362253)
湯澤 由紀夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00191479)
佐藤 和一 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90508920)
坪井 直毅 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50566958)
安田 宜成 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60432259)
|
キーワード | ゲノムDNAメチル化 / CKD stage5 / コホート研究 / 遺伝子多型 / LUMA法 |
研究概要 |
我々は、日本人のCKD stage5患者のコホート研究NISE study (Nagoya Immunity System in the End-stage renal disease study) を実行中で現在100例近い登録が得られている。遺伝子多型ならびにゲノムDNAメチル化の解析を今後行う予定であるが、我々の回収した保存血から抽出したDNAからゲノムDNAメチル化の解析が安定して行える条件を設定するため、登録初期50名の患者のDNAを先行してストックホルムに郵送しゲノムDNAメチル化の解析をLUMA法で行った。結果、44名の解析が可能であった。予備解析の結果であり厳密な統計解析は行っていないが、以前ストックホルムのMIA研究で示された、「炎症を示す腎不全患者においてゲノムDNAメチル化は亢進している」という結果に合致するものであった。 保存血清蛋白のサイトカイン濃度をELISA法で測定した。統計学的有意差は示せなかったが、炎症性サイトカイン高値の患者は心血管イベントを有意に起こしやすいとする今までの報告に矛盾しない結果であった。今後、遺伝子解析やゲノムDNAメチル化の結果と比較検討していく方針である。 3回にわたるミーティング(うち一回は、遺伝子学のグループDepartment of Molecular Medicine, Karolinska Institutetとも共同)で、この結果が討議され、ゲノムDNAメチル化は同一個体内で世代を経なくても変化しうる可能性が強く示唆されるものであった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は透析導入時患者に登録していただき検体を採取している。当初予定していた症例数が目標数に達成できなかったため、遺伝子多型の解析、ゲノムDNAメチル化の解析に進むことができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
慢性腎臓病治療の向上などで、透析導入患者の高齢化がすすみ、本研究登録基準である75歳以下を満たす患者が年々減少しているため、予想より登録が進まない現状にある。また、施設透析患者が多く通院透析施設からの転院がふえ、データベースの構築が難しくなったのは事実である。そのため、昨年共同研究機関を追加した。また、本年は先行してゲノムDNAメチル化の予備解析を行ったが、12%もの検体が解析が不能であった。多くは検体量の不足やDNA抽出カラムへの残存などによる濃度不足であった。このトラブルシューティングを早期にできたことは、非常に有意義であった。今後は、国際比較のための現地データ回収も早期に実現したい。
|