研究課題/領域番号 |
23406028
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今井 圓裕 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (00223305)
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研究分担者 |
堀尾 勝 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20273633)
安田 宜成 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (60432259)
松尾 清一 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70190410)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 慢性腎臓病(CKD / 糸球体濾過量(GFR) / GFR推算式 / シスタチンC(Cys-C) / アジア / イヌリンクリアランス |
研究概要 |
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease : CKD)の診断・重症度分類には腎機能を糸球体濾過量(Glomerular Filtration Rate : GFR)で評価する必要がある。国際的にMDRD式が用いられるがアジア人種に適するかは十分に検証されていない。 申請者らは日本人のGFR推算式を作成し、統一したイヌリンクリアランス(Cin)プロトコールによりアジア系人種に適したGFR推算式を作成している。これまでに台湾人には日本腎臓学会のGFR推算式は適応困難であり、その主原因は筋肉量の差によることを見出した。つまりアジア人種に共通のGFR推算式作成には、筋肉量に因らないGFR指標が必須である。 シスタチンC(Cys-C)は全身の有核細胞より産生され、筋肉量によらないGFR指標と期待されている。 しかしCys-Cは(1)高度に腎機能が低下すると正確に腎機能を評価できない、(2)Crのように国際標準化されていないことが問題であった。申請者らはCys-Cの腎外排泄を補正するGFR推算式を世界に先駆けて報告し、Cys-Cの国際標準値を用いることで台湾人にも日本腎臓学会のCys-Cに基づくGFR推算式(eGFRcys式)が適応できることを見出した。 そこで本年度は、(1)台湾人274例ではeGRcys式はCinと良好な相関があるが、韓国人151例では相関はあるものの、GFRを過小評価する傾向を認めた。韓国人はさらに症例を増やす検討を進めている。(2)タイ人28例では日本腎臓学会のGFR推算式がMDRD式より適することを見出し、eGFRcys式の検討を進めている。 さらにインド、シンガポールと国際共同研究を目指しており、(3)インドはVivekanand Jha教授と菜食主義と非菜食主義のインド人でCinやeGFRcysを比較する共同研究を実施中である。(4)シンガポールでの研究申請は不採択であったため、計画を見直し再申請する予定である。 本研究は研究代表者の異動にともない期間途中で廃止するが、新組織で研究継続を目指している。
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