研究課題/領域番号 |
23406031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 二士夫 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70154979)
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研究分担者 |
蕪城 俊克 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00280941)
針原 伸二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (40198932)
野口 博司 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60126141)
桑田 昇治 帝京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00241993)
萩野 昇 帝京大学, 医学部附属病院, 講師 (40466769)
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キーワード | ベーチェット病 / ブドウ膜炎 / HLA-A*2601 / 遺伝因子 / 3次元構造 / IL-10 / 民族差 / 東アジア |
研究概要 |
本研究は、ベーチェット病(BD)疾患感受性遺伝子としてのHLA-A*26:01の重要性や病態との関連を検討するとともに、その推定立体構造から抗原の共通性を検討し、さらに東アジアにおけるHLAの分布差と疾患の民族差の関連を検討する事で、BDの遺伝的背景や民族差の機序を明らかにする事を目的とする研究である。更にはIL10,IL12RB2、IL23R等の候補遺伝子との相関も検討する研究である。検体研究は東大研究倫理委員会の承認を得て開始した。タイ、ベトナムの各倫理委員会の承認書類は申請時に添付した。尚、台湾大学では現在倫理委員会に申請中である。日本の正常人検体は、100検体について現在HLA-A及び-Bをタイピング中である。BD検体は40検体を収集し、来年度以降も検体収集、タイピングを行なっていく予定である。病態との関連の分析のため、海外研究者とも討議の上、ベーチェット病の臨床所見(特に眼科的所見)、検査の所見をまとめた共通の臨床カードを作成した。この臨床カードは東アジアでの検体収集の際にも用い、データーベースの基礎とする。東アジア各国(タイ、ベトナム、台湾)との協議では、これまでの研究成果を紹介し、共同研究を行なう事の了解が得られた。診断には国際診断基準を用いる事で合意した。各国における患者実態の把握、データーベース化については、次年度以降、さらに検討する事となった。また、二つの疾患感受性HLAアリルであるHLA-A*26:01とB*51:01の立体構造やそれから推測される役割の共通点、差異を検討するため、タイ国チュラロンコン大学理学部のSupot教授の協力を得て共同研究を開始した。一方、HLA以外の候補遺伝子については、IL10とIL23R-IL12RBの遺伝子内のSNPS6か所の位置を特定し、実験方法について基礎検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究倫理委員会の承認を経て、正常人検体を中心にHLAタイピングを開始している。また、患者検体の収集も開始した。帝京大学の研究倫理委員会承認が遅れているが、分担研究者を中心に作業中である。データーベースに関しては、診断基準の統一化とともに基本プランが完成した。海外との共同研究は基本同意が得られた。チュラロンコン大のSupot先生とHLA三次元構造解析で基本合意を得た。HLA以外の遺伝因子についてはSNP分析の基礎検討を開始した。以上より、概ね順調に進行していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、帝京大学の研究倫理委員会承認も早急に得て、検体収集をさらに進める予定である。また、HLA分析を順次行なっていく。海外の検体に関しては、検体送付の各国の事務処理を推し進めるとともに、検体収集、臨床データーベースの作成を進めていく予定である。集った検体から、順次HLA分析を開始する。HLA以外の遺伝要因については、当初予定した因子のほか、発表される研究結果に注意しながら、可能性のある因子について分析を進めていく予定である。3次元構造解析では、臨床情報も適宜提供しながら、基礎と臨床との共同研究の形で研究を押しすすめていく予定である。
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