研究課題/領域番号 |
23406034
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
我妻 ゆき子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40400676)
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研究分担者 |
須磨崎 亮 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40163050)
福島 敬 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30323299)
馬 恩博 筑波大学, 医学医療系, 助教 (00590770)
岡田 昌史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70375492)
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キーワード | 医療・福祉 / 感染症 / 細菌 / 臨床 / 社会医学 |
研究概要 |
小児結核の蔓延しているバングラデシュを研究フィールドとし、既存の方法では正確な診断が困難な小児結核に関して尿や血液による最新の診断法の有効性を検証することを目的とした。研究プロトコールの承認申請と契約締結後、小児結核臨床スコアリングシステムの標準化、ラボでの検査アルゴリズムの確認とトレーニングを行った。ダッカ病院とシャモリクリニックの15歳未満の患者で臨床的に小児結核を疑われる患者を対象者とした。結核の疑われる症例に対して臨床スコアリング、喀痰塗抹検査、喀痰培養、胸部レントゲン、ツベルクリン反応などによる従来の臨床診断法に加え、胃液培養を行った。血液、尿、胃液等の検体を用いたLAMP法、クオンティフェロンTB、T-SPOTや、LAM抗原を用いた抗原検出法などが実施された。 これまで71人の患者(22人の診断コントロールを含む)をスクリーニングした。結核と診断された22例のうち、喀痰(あるいは誘導吸引痰)中の抗酸菌陽性は6例(31.6%)のみであり、同時に実施された胃液検査では抗酸菌陽性例は認めていない。抗酸菌のLAM抗原を検出する系では結核患者18例中5名(27.8%)が陽性であり、確定診断例以外の26名でも4例(15.4%)が陽性となっている(p=0.534)。しかし、コントロール群でも19例中5例(26.3%)でLAM抗原陽性となっており、特異性の点で問題が示唆されている。一方LAMPによる喀痰あるいは胃液からの結核菌遺伝子検査では22例中10例(45.5%)が陽性となったが、尿中からは検出されなかった。クオンティフェロンTBは結核患者14例中7例(50.0%)で陽性であり、同様にT-SPOT TBは17例中6例(35.3%)で陽性であった。結核と診断されなかった疑い患者では、QFT陽性率が17.6%(3/17)、T-SPOT TBの陽性率が0%(0/13)であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2011年度に登録患者数の30%を目標とした。25%とおおむね達成できている。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度も継続して患者のスクリーニングと検査法の評価を実施する。また、中間でのデータのとりまとめと、関係者間での情報交換及び協議のためのワークショップを2012年7月に現地で開催する予定である。
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