研究概要 |
研究の目的 バングラディッシュおよび日本の閉経後女性を対象とし、糖尿病とその臓器合併症のリスク予測および重症度のバイオマーカーとしての血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)の臨床的有用性を証明する。1)糖尿病発症予測因子としての流血中VEGF値(変化)の有用性を検証する、コホート研究。2)糖尿病とその心血管系合併症の重症度とVEGF発現レベルの関係の研究。3)閉経後女性における正常VEGF値(性別、年齢や民族ごと)の設定。 本年度(~平成25年3月31目)の研究実施計画 下記の詳細に基づき、プロトコールの確認、倫理委員会関連の確認、グラミン健康財団(Grameen Health care Trust),Health and Disease Research Center fsemeor Rural People(HDRCRP),独立行政法人国立国際医療研究センター(National Center for Global health and medicine:NCGM)での研究業務の分担の確認等を行う。バングラデシュ国における調査情報資料と検体収集、日本への一部検体輸送、HDRCRPおよびNCGMでの測定解析作業を開始する。対象地域にて糖尿病の診断、採血等の検体収集、VEGFを含めた各種項目の測定(詳細は下記)を行う。 1.対象(1)バングラデシュ国農村部および日本人の閉経後女性。(2)対象地域はバングラデシュ4地域(Rajshahi,Dhaka,Naogoan,and Shirajgonj等)および日本3地域(東京、北海道、茨城)にて開始予定。2.研究方法(1)研究1:測定対象群における基礎的測定項目やVEGF値の基礎的統計学的性状の評価を行う。これらを年齢、性別、民族差等ごとに評価/解析する。標本数=1000/国。それらの結果はその後の統計学的解析の信頼性、特異性、感度、妥当性などを設定/検証するために重要。合わせて倫理的/法律的/社会的実現性や継続性の評価を行う。(2)研究2:ケースコントロール(症例対照)研究。対象年齢は40~70歳の閉経後女性。糖尿病患者350名、年齢をマッチさせた健常者350名の2群(power=90%,alpha;0.05).閉経後状態は、55歳未満では1年間以上、55歳以上では6か月以上、月経がないこと(Jesmin,Kimura et al,unpublished observation,World Health Care Congress,2010)。(3)研究3:前向きコホート研究の継続。開始時には糖尿病、心血管系疾患のいずれも有しない健常者。標本数1000,power=90%,alpha=0.05,観察期間:2011~2017.観察は6か月ごと。糖尿病、悪性腫瘍を有しないこと、及び性ホルモン補充療法を受けていないことの確認。
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