研究概要 |
本研究において、閉経後女性における糖尿病とその臓器合併症に関する診断・治療上の指標として、エストロゲン以外の標的物質を開発する。バングラデシュ及び日本の閉経後女性を対象とし、糖尿病とその臓器合併症のリスク予測及び重症度のバイオマーカーとしての血管内皮増殖因子(VEGF)の臨床的有用性を証明することを目的とする。1) 糖尿病発症予測因子としての血液中VEGF値の有用性を検証するためのコホート研究を行う。2) 糖尿病とその心血管系合併症の重症度とVEGF発現レベルの関係を研究する。3) 閉経後女性における血中VEGF値の正常値を、性別、年齢や民族ごとに設定する。 本年度は本研究プロジェクトの最終年度である。これまでに、プロトコールの確認、倫理委員会関連の確認、Health and Disease Research Center for Rural People (HDRCRP), 国立国際医療研究センター(NCGM)及び筑波大学での研究業務の分担と確認等を行った。バングラデシュにおける調査情報資料と検体収集、日本への一部検体輸送、上記3研究機関での測定解析作業を開始。対象地域にて糖尿病の診断、採血等の検体収集、VEGFを含めた各種項目の測定を開始した。 1.対象(1) 対象地域はバングラデシュ4地域(Rajshahi, Dhaka, Naogoan, Shirajgonj)及び日本3地域(東京、北海道、茨城)。 2.研究方法 :前向きコホート研究を開始した。開始時には糖尿病、心血管系疾患のいずれも有しない健常者であることを確認。標本数1000, power=90%, alpha=0.05, 観察期間:2011 ~2017. 観察は6か月ごと。糖尿病、悪性腫瘍(一部皮膚癌を除く)を有しない、性ホルモン補充療法(HRT)歴のない事を確認の上、調査研究した。
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