研究実績の概要 |
胃がんや食道がんの手術を受けた患者の多くは,手術後の機能障害に伴う複数の身体症状を長期的に抱えたまま生活しているにもかかわらず,評価方法,支援方法が確立されていなかった.術後機能障害は,患者のQOLに大きく影響することが報告されているが,機能障害の評価方法や援助方法は,国内外ともに開発されていなかった.そのため,今回,世界初の上部消化管手術を受けた患者の術後機能障害評価尺度(DAUGS:Dysfunction After Upper Gastrointestinal Surgery)日本語版を約8年にわたり開発した.本研究の目的は、先行研究で開発した術後機能評価法の尺度(DAUGS:Dysfunction After Upper Gastrointestinal Surgery)の欧米版の開発と臨床への有用性を検証することであった.平成24年度はフィールドとなるVenderbiltの大学、協力者の医師,看護師との信頼関係を拡大しつつ,研究環境のすべて調整を済ませた。平成24年8月に渡米し、Venderbiltの大学と研究内容の綿密な打ち合わせを行い、研究を推進した。その後は、質問票のバックトランスレーションとDAUGS20英語版を確立した。他,研究協力者との調査の準備を進めた。さらに25年2月に共同研究施設における倫理申請書の作成、申請を行い、承認を得た。その後、25年度は、4月から質問票の調査を開始し、研究の性質から目標数は200を目指していたが、回収数は、36件であった。この実態を踏まえ、回収数を上げるために、再度、25年8月に渡米し、今後に向けての打ち合わせを行なった。その結果、Venderbiltの研究協力者のコンセンサスは得られたが、窓口となっていた研究担当者の職場異動となった。調査票の回収には至らなかったため、これまでに回収できた質問票を分析し、研究成果とする。
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