研究課題/領域番号 |
23406040
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
地域・老年看護学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大西 真由美 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60315687)
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キーワード | 社会格差 / コミュニティ力 / 家族力 / 人間の安全保障 / サブサハラ・アフリカ |
研究概要 |
【タンザニアにおける調査】タンザニア側倫理審査会から、挑戦的萌芽研究「社会的不利条件下における女性と子供のヘルスリテラシー向上のための地域エフィカシー要件」(H21~H23)の発展研究課題として、本件に係るH23年度の調査研究を進めることについて、承認を得るための申請を行ない、承認された。ムヒンビリ健康科学大学との共同研究体制について協議し、また調査フィールド関係者との調整を行ない、H24年度の調査実施に係る準備を行なった。世界的な経済不況の影響もあり、これまで里親制度や個人の基金や財団等によって孤児たちの生活を経済支援していた者たちが、支援の中断をしてしまうことにより、教育を受けられなくなってしまう孤児達のエピソードが散見され、社会的不利条件下にある人々がより厳しい状況に置かれていると考えられた。また、妊娠・出産および育児経験に関するインタビューを通じて、妊産婦ケアならびに女性達のヘルスリテラシーに関する都市部と地方における地域格差が認められた。 【モザンビークにおける調査】モザンビーク側共同研究者を通じて、予定している調査フィールドの状況についてプロフィールをアップデイトした。セックスワーカーらに対するヘルスリテラシー向上のためには、彼女らの自己効力感を高めるようなアプローチの必要性が示唆された。 【ナイジェリアにおける調査】ナイジェリア側共同研究者を通じて、予定しているフィールドの状況についてプロフィールをアップデイトした。2003年に実施したエイズ孤児ケアに関する調査結果と比較し、コミュニティにおける30-50歳代世代のHIV感染ならびにエイズ孤児に対する差別・偏見が緩和されてきていることが推察された。ただし、高齢者については、未だHIV感染およびエイズ孤児に対する差別・偏見が強い状況も認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンザニアにおける調査研究に関しては順調に進んでいるが、モザンビークおよびナイジェリアの調査研究に関しては、H23年度は日本側研究者がフィールドを訪問していないため、現状把握について不十分な点があることは否めない。
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今後の研究の推進方策 |
タンザニアにおける調査研究に関しては、H23年度の準備に基づき順次研究計画を進めていく。H24年度は、モザンビークおよびナイジェリアへの訪問も含めて、必要なフィールド調整をしながら、順次研究計画を進めていく予定である。また、いずれの国々も治安状況に注意しながら、研究計画を進めていくこととする。
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