研究課題/領域番号 |
23500003
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐々木 建昭 筑波大学, 名誉教授 (80087436)
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研究分担者 |
櫻井 鉄也 筑波大学, システム情報系, 教授 (60187086)
加古 富志雄 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (90152610)
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キーワード | 近似グレブナー基底 / 近似グレブナー基底の算法 / 近似特異系 / 近似特異系の特異化 / 悪条件多項式系の良条件化 / モデルに基づく開発 / 疎なパラメータ係数線形系 / 疎線形系のパラメータ解析 |
研究概要 |
本研究の目的は二つ、近似グレブナー基底の算法開発とその応用研究である。 研究開始当初、近似グレブナー基底の算法については、主に本研究代表者らによる幾つかのアイデアがあった程度で、その定義すら存在しなかった。初年度にブッフバーガーの算法を近似化することで近似グレブナー基底を定義し、その算法を呈示した。世界の先頭を走る成果だと自負している。呈示した算法は計算の安定性と効率の点で不十分ではあるが、それまで未着手だった応用研究の遂行を優先し、算法の改良を一時中断した。 応用研究に関しては、微小誤差項のためイデアルの次元が減少した系の次元を復元することを念頭に、近似特異系の概念を提案し、イデアルの次元を元に戻す操作として「近似特異系の特異化」なる演算を考案した。これは、近似可約な多変数多項式の近似因数分解を多変数多項式系に拡張したものである。近似グレブナー基底に基づき悪条件連立代数方程式系を分類すると一つの型が近似特異系になるので、特異化演算により悪条件系を良条件化する方法を呈示した。航空機の線形制御モデルで現れる多変数代数関数のHensel級数展開で、本研究代表者らが考案した近似無平方分解、有効浮動小数、および近似因数分解の有用性を示した。 本年度は産業分野の数式計算への応用を探っていたところ、「モデルに基づく開発」における幾つかの課題を知人が示してくれた。そのうち、パラメータ係数線形方程式系の求解時の誤差の低減法に関しては、数値行と記号行を分け、数値行にはピボッティング付きジョルダン消去法を、記号行には誤差に強い小行列式展開法を用いることとし、二つの算法をつなぐ公式を導出した。疎な線形系に関しては、数値計算で多用されているブロック三角化をさらに進めた局所ブロック化の概念を提案し、グラフ理論による局所ブロック化算法を考案して、パラメータ間の依存性検出等が計算できることを示した。
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