電子指紋符号は,ライセンスのあるディジタルコンテンツの不正流出を防ぐためにコンテンツに埋め込まれる符号である.電子指紋符号では,通常,悪意のある複数のユーザが結託して海賊版のコンテンツを生成しても,その海賊版の生成に関わったユーザの一部または全部を特定できることが求められる. 本研究では,情報理論的な電子指紋符号のモデルにおいて,ある仮定のもとで,漸近的に1に近い確率で不正者全員を特定できるための最大のユーザのレート(電子指紋符号の容量)を導出する.また,特別な場合に対しては確率1で不正者善意を特定するための容量(ゼロエラー容量)の上界と下界が導出できることを示す.
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