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2012 年度 実施状況報告書

新規な変換型無ひずみデータ圧縮法の展開と応用

研究課題

研究課題/領域番号 23500006
研究機関群馬大学

研究代表者

横尾 英俊  群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70134153)

キーワード情報基礎 / 情報理論 / ユニバーサル符号 / データ圧縮 / CSE
研究概要

無ひずみデータ圧縮のための記号列の可逆変換法の拡張と一般化を目指す本研究では,拡張したBW変換行列とCSE法とよぶユニバーサル・データ圧縮法との関連を明らかにしてきた。CSE法の持つ自明なむだを排除するために,2元BW変換行列の左最小列数という最適化問題を定式化し,その解決に取り組んだ。現在までのところ,自明でナイーブな方法を本質的に改善する方法を見出すまでには至っていないが,その過程でいくつかの重要な知見を得ている。まず,左最小列数の上限を記号列長の線形時間で算出するアルゴリズムを構成した。本アルゴリズムでは,LCP (longest common prefix) 値や最小ユニーク部分列が重要な要素である。これらの要素,およびLyndon語とよぶテキストアルゴリズム上の概念がCSE法と本質的に関係しているという事実は,CSE法のテキストアルゴリズムとしての重要性を示すものである。次に,左最小列数を利用したCSE符号化法の新規実装法を明らかにした。CSE符号化のための従来法では,入力系列を2重に接続した記号列を想定した上で,それを完全に反映させた接尾辞木を構成することを要求していた。これに対し提案法では,必要最小限の入力系列に対し,同じく必要最小部分に対応する接尾辞木を構成すれば十分であることを示した。一方,BW変換行列を利用した可逆変換法の開発においては,BW変換を有限列のみで模倣する擬似BW変換を定式化し,逆変換のアルゴリズムを構成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

CSE法の自明なむだを排除するための左最小列数問題は,当初想定したような単純な問題ではないことが徐々に判明してきた。そのような問題に多くの時間を費やした結果,その他の研究計画に十分踏み込むことができなかった。左最小列数問題を線形時間で解くこと,あるいは,その最適性を保証することを多少犠牲にしても研究の計画通りの実施は可能なので,今後は,その他の部分問題にもバランスよく取り組むことで本来の目標を達成する計画である。

今後の研究の推進方策

CSE法の効率的な実装法についての理論的考察がほぼ完了したので,現実の実装を通じて実データに対する性能の検証を進める。その結果得られる知見をテキストアルゴリズムの基本的な知見として整理し,適切な国際会議等で報告する。さらに,擬似BW変換として開発を進めている手法と合わせて体系化し,研究のまとめとする。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用のための残が出たのは,当初予定していた成果発表が研究の進展の都合により,年度内に実施することができなかったためである。これを次年度の旅費として計上し,成果発表および資料収集のための旅費として執行する計画である。さらに,次年度は本課題の最終年度にあたるため,研究成果をコンピュータプログラム等として保存および公表するための手段の一部として充当する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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