研究課題/領域番号 |
23500015
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永持 仁 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70202231)
|
研究分担者 |
趙 亮 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90344902)
福永 拓郎 京都大学, 情報学研究科, 助教 (60452314)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | グラフ理論 / 離散最適化 / アルゴリズム / 列挙法 / 厳密解法 / 計算量解析 / 近似解法 |
研究概要 |
リント基盤の支持ピン位置のスケジューリング問題に関して,京都工芸繊維大の軽野准教授とともに,グラフモデルでの最適化問題として,種々の定数倍近似アルゴリズムを構築し,提案法については実験的な検証も行い,その実用的有効性を確かめた.提案のモデルは,配置決定とスケジュール選択を組み合わせた特徴を持つ.グラフ描画の研究に於いて,シドニー大学 Hong 教授と共に,描画の際の枝交差を最小にする問題に対する近似アルゴリズム,グラフの直線描画における凹角数を最小化する線形時間アルゴリズム,凸多面体の頂点・稜線のグラフ構造の特徴付け(Steinitzの定理)を非凸な多面体への拡張したの理論などの成果を得ることができた.これらは情報の可視化技術の基礎を拡充する上で重要な成果である.NP-困難な問題に対する高速厳密アルゴリズムとして,部分帰還枝問題,支配枝集合問題,独立点集合問題に対して,中国の電子科技大学の肖 鳴宇 助教授とともに,最速のアルゴリズムを提案した.従来は,これらの問題に対する厳密アルゴリズムの計算量を縮めるために,複雑な分枝規則が取り入れられていたが,本研究ではグラフ構造に関する新しい概念を導入することで分枝規則を簡素化しつつ高性能なアルゴリズムを設計することができた.この他,平面図形の円被覆による近似問題や通信ネットワークにおける通信網の設計問題に対する近似アルゴリズムの設計,グラフ上の情報伝播問題にける性能解析などを行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ケジューリング問題,グラフ描画問題,厳密アルゴリズムの高速など,グラフにおける最適化問題に関する種々の問題に対して,十分多くの研究成果が得られたと考えている.しかし,これらの成果から一般的な原理の抽出や汎用性の高い手法を確立することはさらに難しい課題であり,今後もこの目的に向かって研究を行う.
|
今後の研究の推進方策 |
中国の電子科技大学の肖 鳴宇 助教授とともに研究を推進している高速厳密アルゴリズムの設計では,最近,アルゴリズムの解析において新しい工夫を取り入れることで成果をあげている.この解析における工夫における議論をさらに強化することで,汎用性の高い手法の確立を目指す.
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度の使用計画は,申請時の計画どおり以下の使用を予定している.成果発表,調査のための国内研究旅費 500(千円), 成果発表,調査のための外国研究旅費 500(千円),研究補助・英文校正50(千円), 研究成果投稿料 50(千円),アルゴリズム理論関係図書 50(千円), プリンタ用紙 10(千円),研究成果発表のために論文別刷40(千円)
|