研究課題
本研究の目的は,以下の2種類の困難な離散最適化問題を対象とした計算モデルの構築,計算理論的解析に裏付けされた解精度保証のあるアルゴリズム設計手法の開発,及び問題自体が有する解精度の意味での困難性の解明を行うことである.NP困難問題と呼ばれる多項式時間で最適な解を求めるためのアルゴリズムを持たないであろうと予想されている最適化問題.入力インスタンスの情報の一部が与えられていない(もしくは利用できない)最適化問題,すなわち,情報が不完全な形で与えられるため最適解を求めることが困難な最適化問題.今年度の主な研究成果は以下である.1.頂点数を最大とする正則誘導連結部分グラフを求める最適化問題について,(1) 入力グラフを二部グラフ,または平面グラフに限定したとしてNP困難となること,(2) それらのグラフについて多項式時間内では近似解を求めることも困難であること,(3) 入力グラフを弦グラフや木幅限定グラフに限定した場合には最適解を求めるような多項式時間アルゴリズムが設計可能であることを示し,国際会議で研究成果の公表を行った.2.入力として有向非巡回グラフで表現されたWEBページ網と追加リンク数の最大値が与えられたとき,できるだけ頻繁に訪問されるページへのクリック数(距離)を最小化するためには,どのようにリンクを作成すれば良いかというリンク追加問題について,リンクを作成する頂点を根頂点とした場合について検討を行い,近似下界と最適な近似精度を持つ近似アルゴリズムを示した.得られた研究成果を国際ジャーナル誌で公表した.3.グラフとその中のいくつかの頂点が与えられたとき,それらの頂点を繋ぐような木をシュタイナー木と呼ぶ.お互いに頂点を共有しないシュタイナー木をできるだけ多く探索することを目的とした最適化問題に対する近似アルゴリズムを設計し,国内学会と国内研究会で公表した.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (14件) 備考 (3件)
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