研究課題/領域番号 |
23500024
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
譚 学厚 東海大学, 情報理工学部, 教授 (50256179)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | アルゴリズム / 計算幾何 / 幾何学的捜索 / グラフ的手法 |
研究概要 |
幾何学的捜索問題および関連の問題に対して研究行った。主な研究結果は下の通りである。 (1)この研究は繁華街をパトロールする2人の警官の動作計画を取り扱う。警官の行動は互いに見えることが普通に要求される。安全性を高めることから、いかにして警官間の最大距離を最小にすることができるかが計算幾何学の分野においては未解決問題であった。我々は巡回地域を多角形領域と表現したうえ、警官間の最大距離を最小にすることができる多角形の部分領域をすべて見つけ出すことに成功しました。これらの巡回操作をグラフに表現して、ダイクストラの最短路アルゴリズムを適用することにより、最終的にこの警官巡回問題を解くO(n^2 log n)時間のアルゴリズムを提案することができた。この研究の結果は2012年5月に開かれる国際会議FAW-AAIM’2012に発表する。 (2)LR可視的多角形(LR-visibility polygons)への特徴づけは以前にも研究されましたが、初歩的な結果しか得られなかった。我々はこの問題を円上の弘集合と結び付け、画期的な手法で明瞭な特徴づけを与えることができました。この新しい特徴づけに基づいてLR可視的多角形を識別する簡単なアルゴリズムを開発することもできる。この研究結果を論文"Simple Characterization of LR-visibility polygons"にまとめ、LNCSに発表した。 (3)2人の捜索員による循環回廊(circular corridor)の捜索問題については、捜索できる必要十分条件およびO(n log n)時間の判定アルゴリズムという研究結果が研究代表者によって国際会議TAMC2010にて発表された。今回、それに関する正式な学術論文はDiscrete Applied Mathematics 159 (2011)に発表することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究では、いくつかの研究成果を得ることができた。特に幾何学的捜索問題を解くグラフ的手法が提案されたことが大きい。このアプローチは計算幾何の分野に新しい展開をもたらすことが予想されている。現在、2本の折れ線(polygonal curve) 間のFrechet距離を計算する問題に対してこの手法を適用することを試みている。
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今後の研究の推進方策 |
2本の折れ線(polygonal curve) 間のFrechet距離を計算することは幾何物体の形状を比較するのによく使われ、画像処理やコンピュータビジョン等への応用がある。本研究で開発されたグラフ的手法はこの問題を解くのに役に立つ。この方面の研究をさらに進みたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
論文発表等のための海外出張(3回):60万円研究図書とソフトの購入:20万円国内出張旅費:15万円その他:15万円
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