研究課題/領域番号 |
23500025
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋祐 東京理科大学, 理学部, 教授 (50257820)
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キーワード | ブーリアン・グレブナー基 底 |
研究概要 |
本質的に整数演算を含む組み合わせ問題の中で、一番単純なタイプである、単集合制約問題の解法のために必要な、可換代数の理論とアルゴリズムについて、ブーリアン・グレブナー基底を中心に研究をおこなった。 ブール多項式環においては、どのような項順序にたいしても、ブーリアン・グレブナー基底を一つ求めれば、それからただちにすべての変数にたいする消去イデアルが計算できるという、前年度に証明した結果を用いて、ブーリアン・グレブナー基底による、このタイプの問題に対する効率的な解法アルゴリズムを考案した。また、このアルゴリズムを少し修正することで、問題の複雑さの指標も数学的に数値化し、これを計算できることも明らかにした。 有効性を実証するために、応用例として数独解法プログラムと難易度判定プログラムを数式処理システム Risa/Asir 上に実装した。 難易度判定プログラムは膨大な計算量が必要となるので、Risa/Asir の OpenXM による分散計算プログラムも新たに実装した。このプログラムの台数効果はほぼ理想的であり、大多数の数独問題の難易度判定が可能になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本質的に整数演算を含む組み合わせ問題の中で、一番単純なタイプである、単集合制約問題の解法については、ほぼ完璧なアルゴリズムが構築できたが、集合の個数が2以上のものに たいして、このアルゴリズムを適用するためには、さらなる改良が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
集合の個数が2以上のものを含む集合制約の中で、最も基本的な制約である一番外側に存在限量子記号のみが現れる制約について有効な可換代数的アルゴリズムの研究をおこなう。 次に、一般の制約について可換代数的アルゴリズムの詳細な研究を行う。二種類の限量子記号が入れ子になって多数現れる場合は、実数制約の限量子消去法と同様にすべての制約を解くソルバーを構築することは実用的ではないと考えられる。実際の工学等の現場で解 法が必要とされている問題のタイプを調査し、重要と思われる形の制約をいくつか抽出し、それらに特化したアルゴリズムの構築およびその有効性を実証するためのプロトタイププログラムの実装をおこなう予定でいる。 本研究で構築するアルゴリズムには並列化可能な部分が非常にたくさん含まれているので、分散あるいは並列アルゴリズムを構築することは、高速なプログラムを実現させるための一つの方法である。一番外側に存在限量子記号のみが現れる制約に焦点を絞り、並列アルゴリズムの構築とプロトタイププログラムの作成も行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究に関する成果を発表するために、海外および国内で開催される研究会議に多数参加する予定でいる。そのための旅費として研究費を使用する予定でいる。
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