「クリプキフレームはグラフである」との認識の上に立ち、グラフ理論の知見を取り入れて、もっと幾何的な観点から様相論理のクリプキ意味論を見直してみようという動機でこの研究を開始した。3年間にわたる研究の結果、(1) 様相論理の意味論としては特に無限グラフを考慮に入れたグラフ理論を用いる必要があること、(2) グラフマイナー定理で使用されているマイナーの関係は2つのクリプキフレームが決める論理の間の大小関係を、壊してしまう場合がありこのままでは論理の解析に適用できないこと、(3) 無向グラフ全体を特徴づける様相論理の定式化には2つの定式化があること、などがわかった。
|