研究課題/領域番号 |
23500037
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
岩田 茂樹 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (80102028)
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研究分担者 |
笠井 琢美 電気通信大学, その他部局等, 名誉教授 (70027382)
武永 康彦 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (20236491)
伊藤 大雄 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50283487)
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キーワード | ゲーム木のモデル / 深さ優先探索 / 評価関数 / パズルの計算複雑性 |
研究概要 |
本研究は、ゲーム情報学全般にわたる研究のうち、(1) And-Or 木のコンピュータによる探索、と (2) ゲームやパズルの複雑さに関する研究を行うことを目的とする。 And-Or 木の探索に関する研究については、平成25年度の研究代表者による研究で次のことがわかった。ゲーム木のコンピュータによる探索では「評価関数」を用いる。ゲーム木の自然なモデルを設定して、完全な評価関数を使用する、完全な評価関数に確率 p で近い評価関数を使用する、評価関数を使用しない場合に、探索の局面数にどのくらい違いが出てくるかを明らかにした。ゲーム木上の各局面から次局面への数を d とする。ゲーム木の深さ n での局面を、深さ優先探索で調べる。完全な評価関数 (p=1) ではゲーム木の深さ n の局面を Θ(d↑{n/2}) 個探索する。確率 p (0<p<1) で完全な評価関数に近い評価関数では任意の k>0 に対し Ω(n↑{k}・d↑{n/2}) 個の局面を探索する。評価関数を使用しない場合には Ω(d↑{0.82n}) かつ小さな e に対し O(d↑{(1-e)n}) 個の局面を探索することが明らかになった。ただし a↑{b} は「aのb乗」を表すものとする。一般には、完全な評価関数を求めるのは不可能である。評価関数としてアルファ・ベータ法を利用する方法が一般的であるが、これもあまり早い探索でないことが理解できる。なおこの結果は、現在論文誌に投稿中である。研究分担者の伊藤は、ゲームに関する多くの論文を掲載した。 パズルの計算複雑さに関する研究では、平成25年度中に、ペンシルパズルの「四角に切れ」「波及効果」「黒マスはどこだ」の複雑さを明らかにした。また研究分担者の武永はその他のゲーム・パズルの複雑さに関する結果を発表した。
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