研究課題
本研究では、Web上でのプッシュ配信に基づくコンテンツ転用防止のための要素技術を開発を目指している。近年、Web上のコンテンツの違法な転用による問題への解決が強く求められている。プッシュ配信技術を用いることで、人間にはコンテンツを配信するが、コンテンツを収集するプログラムにはコンテンツを配信しないようなシステムが実現可能である。平成25年度は、本システムの拡張、および応用と評価に取り組んだ。本システムの拡張としてWebSocketへの拡張を検討した。WebSocketによりサーバクライアント間のリアルタイムな双方向通信が容易になった。WebSocketにおいても本技術は有用である。例えば、本研究における課題である、暗号化されていない通信路上でのコンテンツURLの暴露の問題は依然として取り組むべき課題である。またJavaScript言語が誰にでも解析可能である点も変わっていない。さらに、しばらくの間はWebSocketに対応しないプロキシサーバが稼働し続けることが見込まれているため、HTTPに基づくプッシュ配信に対しても技術開発を続ける意味がある。応用システムの1つとして利用者の匿名性と利便性を両立可能なWeb投票システムを試作した。本投票システムにおいて、各投票者の投票内容が暴露されないことを保証しつつ不正な投票を検出することをWebブラウザ上で実現することが課題であった。ここでは、クライアント端末の識別のためのキーをサーバから安全に送信することが課題であったが、本技術により簡便に実現可能であることが明らかになった。具体的には、キーを生成する関数を動的に配信することで、攻撃者の解析を妨害することが可能である。本研究により、より安全でより簡便に利用可能なWeb上でのコンテンツ転用防止システムが実現可能になり、本研究はWebエージェント間の安全なメッセージ交換の実現に寄与する。
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International Journal of Networked and Distributed Computing
巻: 2 ページ: 91-99
コンピュータソフトウェア
巻: Vol.30, No.2 ページ: 176-190