研究課題/領域番号 |
23500045
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮本 俊幸 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00294041)
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キーワード | ソフトウェア開発効率化・安定化 / ソフトウェア工学 / アルゴリズム / エージェント / 情報システム |
研究概要 |
高信頼ソフトウェアの開発は,安心・安全な社会を実現する上で必要である.本研究では,分散システムにおけるモデルベースのソフトウェア開発を対象として,抽象的な要求仕様(シナリオ)から,分散システムを構成するモジュールの振る舞いモデル(状態機械 図)を自動合成するための理論構築およびアルゴリズム開発を目的とする. 平成24年度では,平成23年度に引き続きシナリオから状態機械図を自動合成するために,ペトリネットからUMLの階層型状態機械図への変換方法を開発するための理論的考察を行った.ペトリネットの表現能力と状態機械図の表現能力の差により,任意のペトリネットを状態機械図に変換することは困難であった.そこで,平成23年度では,シナリオの数を単一と制限する事によって,ペトリネットから階層型状態機械図に変換可能であることを示し,議論を進めるためのUMLの部分集合であるcbUMLを提案した.平成24年度では,cbUMLのコミュニケーション図から状態機械を自動合成する手法(CSCB法)を提案した.また,提案手法をJava言語で実装し,そのプロトタイプを開発した.プロトタイプを用いてCSCB法の評価を行い,改良点についての検討を行った. 提案したCSCB法についてペトリネットの応用と理論に関する国際会議(ICATPN 2013)内のワークショップ(International Workshop on Petri Nets and Software Engineering)にて成果報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度では,cbUMLのコミュニケーション図から状態機械を自動合成する手法(CSCB法)を提案した.また,提案手法をJava言語で実装し,そのプロトタイプを開発した. 研究計画では,平成24年度の前半において,アルゴリズムの開発を行い,後半から平成25年度の前半にかけてアルゴリズムの実装をすることになっていた.研究計画通り順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度までの研究が順調に進んでいるため,当初計画通り研究を推進していく. 平成25年度の前半を目処に実装を完了し,提案手法の評価を行う. 研究成果は順次国内外の学会にて成果報告する.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度に購入を予定していたソフトウェアを無償のソフトウェアに切り替えたため,平成23年度の研究費に未使用額が生じた.平成24年度に旅費および論文別刷り費として使用したが未使用額が残っている.平成25年度においても旅費および論文別刷り費として使用する.
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