研究課題
平成25年度は主として,平成24年度に構築した推定手法のブラッシュアップと実用的なツール開発を行った.平成24年度での課題として,推定アルゴリズムのスケーラビリティの改善があげられ,サンプリングを利用した近似手法を適用することで,アルゴリズムのスケーラビリティの向上を行った.また,ソフトウェアの利用状況をマルコフモデルによってモデル化する手法も導入し,包括的なソフトウェア利用およびテストのアクティビティデータからの情報も取り入れた推定手法についての検討も行った.また,ソフトウェア信頼性評価ツールである SRATS (Software Reliability Assessment Tool on Spreadsheet) に対して,開発したモデルを扱える拡張を行った.全体の研究を通じて,オープンソースプロジェクトで公開されているリポジトリを通じて組み込みOSの特徴を表すソフトウェアメトリクスの収集と候補の抽出,メトリクスを扱うソフトウェア信頼性モデルの構築およびモデルを用いてソフトウェアメトリクスの選択を行った.また,ツールを作成することによりそれらの作業をより簡易に行える環境の構築を行った.オープンソースを利用したソフトウェア開発が現在では主流となりつつあり,基盤ソフトウェアとして用いるオープンソースの信頼性を定量的に計測することは,その上で動作するソフトウェアの信頼性を確保するためには非常に重要である.上述の取り組みを通じて,本研究で提案したモデルがそのような信頼性評価が行えることがわかった.また,ソフトウェア開発の実務家にはツールの提供を行うことで,数理的な背景を隠した上での利用ができるような試みを行った.これにより,ソフトウェア開発全体において定量的な信頼性評価を手軽に実行できる環境を与えることに成功した.
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