研究課題
本研究の目的はクラウド環境のための省電力化技術を確立することである.特に,多数のコアをひとつのチップに集積したマルチコア/メニーコアと呼ばれるCPU を対象とし,仮想マシン(Virtual Machine; VM) 技術を応用した省電力化技術を確立する.特に,仮想マシンマイグレーションによる大域的スケジューリングと,物理計算機上の仮想 CPU スケジューラによる局所的スケジューリングとを組み合わせた方式を実現する.本年度は,局所的なスケジューリングによる省電力化研究の一環として,メニーコアの代表ともいえる GPGPU の仮想化を行った.GPGPU はその電力効率(計算性能に対する消費電力の比率)も高く,クラウド環境における省電力化を促進する上で必須のコンポーネントである.GPGPU を仮想化することによりクラウド環境における共有リソースとして GPGPU を提供することが可能となり,その電力効率を高めることができる.さらに GPGPU を含む仮想マシンのマイグレーションも原理上可能となり,クラウド環境の利便性をいっそう向上させることができる.GPGPU の仮想化については国際会議に論文を投稿し採録となっている.また,大域的スケジューリングに関してはクラウド環境内のネットワーク・トポロジを考慮した大域的スケジューリングの提案と実現をすすめた.これは研究の初年度から進めていたもので,これまでに提案してきたスケジューリング・アルゴリズムをさらに洗練させ,シミュレーションによる評価実験を行い,その有効性を示すことができた.この方式はネットワーク機器の省電力に対しても幅を広げ,ネットワーク機器の省電力効果が高まるように効果的に仮想マシンの配置を決めるものである.この提案に関してはすでに雑誌論文に論文を執筆し,すでに採録となっている.
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IEICE Transactions on Information & Systems
巻: Vol. E97-D, No. 3 ページ: 469-479
10.1587/transinf.E97.D.469
巻: Vol. E96-D, No. 9 ページ: 2055-2064
10.1587/transinf.E96.D.2055