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2012 年度 実施状況報告書

グラフ構造を対象としたデータ統合問題解決のための文脈を保存する融合変換の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23500055
研究機関国立情報学研究所

研究代表者

加藤 弘之  国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 助教 (10321580)

キーワードグラフ問合せ
研究概要

異なるスキーマのもとで管理されている同じ内容のデータにアクセスする「データ相互運用問題」を解決する手法の一つである「データ統合」は,スキーマ間の違いをスキーママッピングで記述する.Web上のデータ交換フォーマットとして開発されたXMLデータにおいては、スキーママッピングはXQueryで記述される.これに基づきこれまでP2Pに基づくXMLデータ統合が提案されてきた.このような状況において、多段のスキーママッピングを介したデータへのアクセスは、途中に多くのXMLエレメント構築をはさむようなcomposite問合せをXQueryで記述することになる.この種の問合せにおいて、途中に存在するエレメント構築の削除による問合せの最適化は大きな効果が見込まれる.しかしながら、XQueryにおいてエレメント構築は副作用があるため単にエレメント構築を削除するだけでは等価な問合せとはならない.このことは、既にXQueryの教科書等でも取り上げられている著名な問題である.したがって、これまでエレメント構築の削除による問合せの最適化は不可能であると考えられてきた.しかしながら、研究代表者によるさきの研究課題において、この問題に対する解が与えられた.
グラフ問合せ言語として、XQueryを対象とした場合に実用的な問題を解決することが可能となる一方で、上記のエレメント構築の削除に関して、より実用的なアルゴリズムの開発が必要なった.上記のアルゴリズムは健全ではあるが、完全ではなかった.今年度は、composite XQuery問合せにおける途中に出現するエレメント構築を削除する完全なアルゴリズムを開発した.まず、XQueryの標準形を定義した.特にfor-式の標準形を定義するとことで、in-式を経路式に限定することが可能となり、これまで削除できなかったエレメント構築の削除に成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

グラフ問合せ言語としてXQueryを対象とすることで、現実的な問題をそのまま扱うことが可能となったので、おおむね順調に進展しているものと考えられる.

今後の研究の推進方策

今後はグラフ固有の特徴である、合流やサイクルに対して適用するための拡張を行う予定である.

次年度の研究費の使用計画

国内外の旅費に使うことで、国内外の研究者との交流や研究発表をする予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Context-Preserving XQuery Fusion2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Kato, Soichiro HIdaka, Zhenjiang Hu, Keisuke Nakano, Yasunori Ishihara
    • 雑誌名

      Mathematical Structure in Computer Science (MSCS)

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] GRoundTram: An integrated framework for developing well-behaved bidirectional model transformations2013

    • 著者名/発表者名
      Soichiro Hidaka, Zhenjiang Hu, Kazuhiro Inaba, Hiroyuki Kato, Keisuke Nakano
    • 雑誌名

      Progress in Informatics, Special Issue: Advanced Programming Techniques for Construction of Robust, General and Evolutionary Programs

      巻: 10 ページ: 131-148

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Parameterized Graph Transformation Languages with Monads2012

    • 著者名/発表者名
      Kazuyuki Asada, Soichiro Hidaka, Hiroyuki Kato Zhenjiang Hu and Keisuke Nakano
    • 雑誌名

      GRACE Technical Report (GRACE-TR-2012-07)

      巻: 2012-07 ページ: 3-23

  • [雑誌論文] 模倣に基づくグラフスキーマを利用したビュー更新可能性判定2012

    • 著者名/発表者名
      中野圭介,日高宗一郎,胡振江,稲葉一浩,加藤弘之,
    • 雑誌名

      コンピューターソフトウェア

      巻: 29(2) ページ: 174-192

    • 査読あり
  • [学会発表] Structural Recursion for Querying Ordered Graphs

    • 著者名/発表者名
      Soichiro Hidaka, Kazuyuki Asada, Zhenjiang Hu, Hiroyuki Kato, Keisuke Nakano
    • 学会等名
      第15回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL 2013), カテゴリ1
    • 発表場所
      御宿 東鳳 (福島県)
  • [学会発表] Structural Recursion on Ordered Graphs

    • 著者名/発表者名
      Kazuyuki Asada, Soichiro Hidaka, Hiroyuki Kato, Zhenjiang Hu, Keisuke Nakano
    • 学会等名
      日本ソフトウェア科学会第29回大会
    • 発表場所
      法政大学小金井キャンパス(東京都)

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公開日: 2014-07-24  

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