研究課題/領域番号 |
23500060
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
DEFAGO Xavier 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (70333557)
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キーワード | 分散アルゴリズム / 分散システム / ロボット群 / モデル化 / 合意問題 / 自己安定 / センサーネットワーク |
研究概要 |
本研究では、自律移動ロボット向けの現実的な前提を用いた正式なモデルを定義し、自律移動ロボット向けのフォールトトレーラントを考慮した自律組織化アルゴリズムの開発を行う。本研究は、集合、フロッキング、タスク割り当て、および経路計画問題といった本分野における重要な問題の見直しを意味する。 (1)経路計画の問題を研究するロボットのモデルの定義に取り組んだ。本モデルでは、自律型ロボットそれぞれが、衝突することなく、限られた時間内に目的地に到達しなければない。ロボット間における同期の欠如は解決が非常に困難であり、研究代表者は、問題を確実に解決することができる要素の特定を試みた。 (2)前年度に提示した、移動ロボット群のリーダー選択アルゴリズムおよびフロッキング(フォーメーション移動)の更なる研究に取り組んだ。現在、その見直しを行っている。 (3)グリッドセンサネットワークにおける悪意のある動作の伝播問題に取り組んだ。いかに伝播を遅らせるか調査している。有益な調査結果を得たため、平成25年5月に投稿予定である。今後、ランダムグラフ及びトポロジーに本研究成果を発展させる。 (4)分散型リーダー選択アルゴリズムおよび、以前の状態を記憶していないなどの忘却性のあるロボットのフォーメーション移動の研究が保留中であるが、本問題に関する自己安定アルゴリズムを拡張した。今後、本アルゴリズムの正式採用に必要な追加検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ジャーナルに投稿した集合問題に関する論文のフィードバックがあった。見直し作業中に重要かつ新たな知見を得ており、本研究への強いインパクトを持つと確信している。大幅な改訂が必要であり、これにより研究項目の優先順位に変更が生じた。 前年度に、離散空間における経路計画問題に焦点を当て、有意義な知見を得た。本研究は成功の見込みが高く、今年度も継続して行った。前述の投稿論文見直しにより遅れが生じているが、平成25年度に成果を発表予定である。 グリッドセンサネットワークにおける悪意のある動作の伝播問題に取り組み始め、いかに伝播を遅らせるか調査している。有益な調査結果を得たため、平成25年5月に投稿予定である。その後、今後、ランダムグラフ及びトポロジーに本研究成果を発展させる。 分散型リーダー選択アルゴリズムおよび、以前の状態を記憶していないなどの忘却性のあるロボットのフォーメーション移動の研究が保留中であるが、本問題に関する自己安定アルゴリズムを拡張した。今後、本アルゴリズムの正式採用に必要な追加検証を行う。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究に対して、以下の点に特に焦点を当てる。 (1)高レベルの国際ジャーナルにて、フォールトトレラントおよび自己安定集合問題について成果発表する。 (2)正方格子およびランダムグラフにおける故障伝播について成果発表する(DISC国際会議、ICDCS国際会議)。 (3)リーダー選択およびフォーメーション移動に関する成果発表を行う(OPODIS国際会議) (4)グリッド内の分散型経路計画問題の成果発表を国際会議にて行う MAC2013国際会議において、本研究課題の成果概要を基調講演として発表予定である。本国際会議には移動ロボット分散アルゴリズムに関する主要な研究チームが参加予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
仮定したモデルの現実性を評価するため、マルチ方向ロボットおよびクアッドコンピュータを備えたロボットの小グループを実際に構築する。本実験のデモに研究費の一部を充当予定である。 研究費のほとんどは国内外の学会発表旅費に使用する。また、本研究課題に関する協力およびフィードバックを得るため、マルチロボットシステムの研究を行っている研究所への国内旅費にも使用する。
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