研究課題
研究項目①「実例研究・応用例の作成」について.企業との協力関係の中から,汎用MPC回路にとどまらず,制御モデルから回路を自動生成できることが望ましいとの感触を得た.当初計画では自動生成は(汎用回路の評価後の)発展テーマと考えていたが,汎用回路と並行して検討することにし,PLC命令列から制御回路を自動生成するソフトウェアを検討・試作した.このソフトウェアでは構文解析にflex/bisonを用いているため,異なるPLC機種への対応が容易である.現在は三菱QシリーズとJIS/IEC標準に対応しており,C言語のエミュレータを自動生成する.今後はHDLによる回路の自動生成部分を検討・試作し,学会で発表予定である.研究項目②「評価基盤の整備」について.性能比較の対象としてソフトウェアによる実装が必須であるが,今日ではマルチコアプロセッサやGPUを用いて並列処理することが常識となっている.そこで,マルチコアやGPUを用いたソフトウェア高速化手法に関しても研究を続けてきた.本年度は関連研究も含めて学会発表3件を行った.昨年度に引き続き,研究項目③「QP求解器の構成検討」と④「演算器・ハードウェアアルゴリズムの検討」を進めた.特に求解器のためのSIMD演算ユニットについては,評価結果を学会で発表した.当初計画にはない項目であるが,企業からの要望もあり,一昨年度から制御プログラムの秘匿化に関する研究を進めている.企業において知的所有権の保護は死活問題である.MPC等の制御アルゴリズムは,貴重な知的財産であり剽窃や盗用から保護されなければならない.本研究の派生テーマとして専用回路化による知的所有権保護の研究を進めている.本年度は,国際会議2件を含め6件の学会発表を行った.
2: おおむね順調に進展している
当初計画とは研究項目の優先順位が変わっているが,これは研究結果に基づき有望分野を重点的に進めているためである.当初計画になかった新規項目が加わり,回路の自動生成など発展的項目も前倒しに実行している.
本年度が最終年度であるため,今後はテーマを増やすことなく収束させる方向で進める.特に,社会的重要性・独自性・将来性の大きなテーマ(専用回路自動生成,知的所有権保護)を優先して,結果をまとめ学会発表を進める.本報告書記述時点(2014年5月)で,国際会議2件の投稿を含め,これまでの結果のまとめと報告を急速に進めつつある.
別途,期間延長承認申請を行った通りである.不可抗力(高専への出向1年間)により研究計画に遅れが生じたため,1年間の延長を申請し承認された.次年度が最終年度であるため,国際会議への出張,論文誌への掲載料を含め,研究のまとめと発表に重点的に利用する.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (15件) 備考 (1件)
Proceedings of the 29th International Conference on Computers and Their Applications (CATA-2014)
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Proceedings of First International Symposium on Computing and Networking (CANDAR 2013)
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10.1109/CANDAR.2013.60
Bulletin of Networking, Computing, Systems, and Software
巻: 3 ページ: 42-43
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http://www.ccs.ee.tut.ac.jp/~ichikawa/research/