研究課題/領域番号 |
23500068
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
浅川 毅 東海大学, 情報理工学部, 准教授 (00384850)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | VLSI / テスト / テストパターン生成 / LSIテスター |
研究概要 |
本年度は,LSIテスタの性能と機能を補う効果的なテスト手法の開発という課題に関し,以下の研究を遂行した.(1)LSIテスターの特性評価山田電音製LSIテスタ「FTORμ5」を評価の対象として,最大実動作テストタイミング,印加信号タイミングの自由度,同時テスト信号線数,パフォーマンスボードの自由度,について評価を行った.この評価では,LSIテスタ側におけるBOST機能との適応性や制限について明らかにし,BOST機能の仕様に含める設計要件を導くことが出来た.LSIテスタを用いた実験では,2種類のFPGAボードに実装した簡単な被測定回路に対して実動作テストが行えることが確認できた.(2)被測定回路のFPGAへの実装FPGA(Xilinx-Virtex5)を用いて複数の被テスト対象回路を実装し,LSIテスタでテストを行った.BOSTへの発展を考慮してFPGAにはクロック遅延の少ない回路構成を実装した.本研究の成果は「LSIテスタを用いたテスト検証手法に関する一考察」(電子情報通信学会,講演論文集東京支部学生会研究発表会第17回)にて発表を行った. (3)テストパターン生成および圧縮手法の検討BOSTで生成されたテストパターンを遅延無く被テスト対象へ印加する手法および被テスト回路からの応答を圧縮してLSIテスターに伝える手法について検討を行った.具体的には,幾つかの手法(アルゴリズム)を提案し,それらに対してシミュレーションを行い評価した.この結果,テストパターン生成方法に関する基本方針を定めることが出来た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標は,高速実動作テストのためのベクトル系列を生成するTPG構成を開発することであったが,方式に対して見通しが立つに留まり,開発完了に至っていない.理由としては,研究室に新しいLSIが前倒しで導入されたので,研究の優先度を変更し,最終年度で行う予定を繰り上げてLSIテスターとFPGAボードを接続して評価を行ったためである.このことによって,研究全体の精度向上および研究効率が向上すると考えている.全体を通しておおむね順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
次年度の研究は,申請時の研究計画に従ってBOST機能の開発,テストパターン生成回路の開発,テスト応答信号取り込み機構の開発を行う.研究体制として,2名の研究補助員,2名の大学院生と研究を進め,一部学部生へ研究分担を行う.研究は,方式提案,実装,評価の順に進め,評価に関しては,テスタ側からの評価と被テスト回路およびBOST側からの評価の両方を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
電子部品・材料費:提案方式の試作,実装,評価に使用する.国内旅費:方式やアルゴリズム調査(2回程度)及び成果発表(2回程度)謝金:研究補助員(2名)を臨時雇用して,ハードウェアの開発補助とプログラムによる シミュレーション評価を進める.大学院生によるデータ整理やデータ取り印刷費:論文や研究会発表の印刷次年度使用額531,330円の主な理由として,研究打ち合わせの回数が少なかったこととテストパターン生成回路の開発が遅れて部品の使用が少なかったことが挙げられる.次年度の物品費および研究推進のための人件費・謝礼に使用する予定である.
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