研究概要 |
本研究は、メムリスタとよばれる、電流が流れるとその抵抗値が変化する電気回路素子の応用等についての研究である。 H24年度は、メムリスタを用いて、通常のコンピュータシステムに組み込める形式の、不揮発性の多値メモリシステム構築方法を明らかにすることができた。この成果は研究紀要の論文として発表した。 また、次の応用として、メムリスタを用いて「可変論理回路システム」を構築することができることを明らかにした。これは、n入力の組み合わせ論理回路であるが、配線は一定で変化せずに、内部メムリスタの抵抗値を変化させることにより、それぞれの論理素子(AND,OR,NOT,NAND,NOR等)を自由に調整できるようなシステムである。そしてこの論理回路システムは、教師信号により自動学習もできるものと期待される。 この研究により、一回設計し構築したハードウェアに設計ミスが発見された場合でも、回路素子を変更することにより、ハードウェアの設計ミスを修正できる可能性がある回路システムが実現できる。すなわち、ある程度「柔らかいハードウェア」の実現が期待できる。 この成果はH25年度に論文として発表する予定である。
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