研究課題
誰でもが利用することができるインターネット上で安全なVoIPメディア通信を実現するという当初の目的に向かって、既存の方式の課題を明らかにした後、各種研究会やシンポジウム、国際会議などを通じて、その解決方法を模索してきた。その結果、はじめはネットワーク上の第三者に対する対策であったが、自らのドメインも含めた中継プロキシの介入をも防ぐことができる方式(TWP方式)に行きつくことができた。TWP方式は、ネットワーク上に信頼できるWebプロキシを設置することにより、端末同士の通信の安全性を保証する方式である。端末がPKIを採用するという既存の方式でも同様のことを行うことができるが、公開鍵の維持管理に経済的なものも含めてコストが掛かるため、端末の負担が大きく現在普及していない。これに対して、TWP方式は、端末の負担を抑えながら同様の効果を得ることができるため大変有意義な方式であると考える。一方で、現在のTWP方式は、TWPが一つであることが通信の安全性を保証する必須条件となっているため、インターネットのような規模が大きなネットワークでは、TWPの負荷が大きくなりすぎるという課題もある。そこで、現在、複数のTWP(TWP Cluster)を設置しても通信の安全性を保証することができる、大規模ネットワークにも対応し得る拡張TWP方式について、様々な方式を検討中である。たとえば、複数のTWPを設置するが送受信端末は同一セッション内では同一のTWPを選択する方式を検討している。その際、アドホックな増減が可能なDHTを利用して個々のTWPに対する負荷に柔軟に対応することも検討中である。そして、本助成で得ることができた知見を活かして、当初の目的でもあった、「日本発の世界標準」を是非実現したいと考えている。最後に、今回の助成に対して、心より感謝の意を表します。ありがとうございました。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術
巻: 2014-IOT-24, No.10. ページ: pp.1-6.
電子情報通信学会技術研究報告情報ネットワーク
巻: Vol.114, No.7. ページ: pp.17-22.
巻: Vol.114, No.29. ページ: pp.31-36.
インターネットテクノロジーワークショップ(WIT2013)論文集
巻: なし ページ: Web上で公開予定
マルチメディア, 分散, 協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム論文集
巻: 2013. ページ: pp.1964-1969.