研究課題/領域番号 |
23500098
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
中松 和己 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60227874)
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研究分担者 |
渡辺 尚 静岡大学, その他の研究科, 教授 (90201201)
峰野 博史 静岡大学, 情報学部, 准教授 (40359740)
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キーワード | センサーネットワーク / 推論 |
研究概要 |
当該年度は兵庫県播磨町(株)兵神機械工業ファームにおいてホウレン草の水耕栽培を対象にセンサーネットワークを導入、自動にデータ(気温、水温、湿度、照度データ)の取得が可能なシステムの構築する。更には取得されたセンサーネットワーク情報と農作業従事者の栽培知識との融合するシステムの基本的部分をパラコンシステント論理プログラムEVALPSNに基づく論理推論システムとして構築する予定であった。しかし、当該ファームからの変更要請もあり、対象をより付加価値の高いチェリートマトと呼ばれるミニトマトのビニールハウス栽培に変更した。対象となるハウスにおいて4種類のデータ(気温、湿度、照度、電気伝導度(水溶肥料量の測定))が自動取得できる無線センサーネットワークを導入設置し、インターネットを利用したセンサーデータ遠隔管理システムを静岡大学において作成し導入した。このことにより、併進機械工業ファーム、兵庫県立大学、静岡大学においてハウス内でのセンサーデータの履歴情報が視覚化されたグラフとして見えるようになった。また、ミニトマト栽培における農作業記録についても当該ファームより提供を受け、ミニトマト栽培の基本的ルール(主に水遣りの時間のセンサーより得られた環境条件からの自動算出するルール)構築中である。 本研究におけるハウス栽培における無線センサーネットワークの構築に関しては情報学ワークショップにおいて発表した。 一方、センサーデータと人の融合推論機構の基礎理論であるEVALPSNの展開と知的システムへの応用については図書に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度協力を得られる農園を探すのに想定以上に時間を要したこと。センサーネットワークの導入と利用管理システムの作成・実装から始めなければならなかったこと。そのシステムが定常的に安定してデータ取得が可能になるまでにかなり時間を要したこと。対象とする農作物が想定していたメロンからホウレン草、ホウレン草からミニトマトに変更になったこと。そのことにより新たに通信機能を付加したセンサーの開発が必要になったことなどが遅れている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
ミニトマト栽培ハウスにおける無線センサーネット及びその遠隔管理システムの安定運用を目途に改良を行う。このシステムから得られたセンサー情報を基にした農作業(主としてはトマトへの水遣り)をルール化する。さらに、このルールによって導出される栽培作業と実際に農作業従事者の行った栽培作業記録を時系列的に分析しセンサー情報と人間の経験知識の矛盾点を明らかにする。これらの分析結果を基にパラコンシステント論理プログラムに基づくセンサー情報と人の経験知識を融合した栽培作業推論システムを構築する。最終的にはこのセンサー情報と人間知識の融合推論システムの実際の運用を基にこのシステムを評価し、改良点、他の農作物栽培への応用可能性を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の残額33,451円は対象農園への旅費が想定額より少額あったこと、予定していたデータ収集・分析が遅れ、データ整理のため雇用人件費が発生しなかったためである。 平成25年度研究費はセンサー情報データと実際の栽培作業情報データの収集・整理・分析のための学生アルバイト雇用、その際に必要なPCなどの物品購入、研究打ち合わせおよび学会発表のための国内外旅費に使用予定である。
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